鎖を食いちぎる怪物

 2006年10月、第一次安倍伍長政権が成立した時、「憲法改悪/改正、あるいは新憲法制定に向けて拍車がかかりそうです。大きな歴史の曲がり角だと思います…」と、「痛快!憲法学」(小室直樹 集英社インターナショナル)の書評に書いたのですが、やれやれ、解釈改憲という卑劣で陰険で姑息で傍若無人な手段を使うとは思いもしませんでした。同書の比喩を使えば、怪物が鎖を食いちぎりはじめたわけですね。
 集団的自衛権の問題点については、拙ブログで以前に書きましたので繰り返しません。
 二つだけ確認しておきたい点があります。朝日新聞(2014.7.2)によると、“密接な関係の他国に武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある場合のみ、集団的自衛権を含む「自衛のための措置」を可能に”するという閣議決定だそうです。一つ目、そういった事態を、戦闘行為に値すると判断するのは誰? 属国の日本ではなく、宗主国のアメリカでしょ。そしてその判断の根拠となるのは、日本の安全ではなく、アメリカの国益およびグローバル企業の利益ではないでしょうか。
 二つ目、“国民の権利が根底から覆される明白な危険”は、今、福島や沖縄で起きています。だれがその明白な危険をもたらしているのか、安倍伍長率いる自民党の皆々様ですよね。国民の権利をふみにじっている方々から、「国民の権利を守るために自衛隊に人を殺させる」と言われてもねえ。「盗人猛々しい」という俚諺を思い出します。

 われわれの知的および倫理的怠惰を餌にして、肥え太った怪物。そのつけがまわってきたのかもしれません。漱石曰く、“汝の現今に播く種は、やがて汝の収むべき未来となって現われべし”。今夜は、ベンジャミン・ブリテンの「戦争レクイエム」を聴くことにしましょう。
by sabasaba13 | 2014-07-03 06:35 | 鶏肋 | Comments(0)
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