オーストリア編(33):マウトハウゼン強制収容所(13.8)

 それでは入場料を払って内部を見学しましょう。以下、受付でいただいた英語版解説と、『観光コースでないウィーン』(松岡由季 高文研)を参考にしています。まずは正面入口へ、両側に大小二つの監視塔が聳えています。門を抜けると石の壁にはさまれた大きな広場がありますが、によると、ここは親衛隊(SS:Schutzstaffel)の儀式が行なわれた場所だそうです。正面にある建物が親衛隊の本部。
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 ここを右に曲がると、右側にゲートがありこの中が壁で囲まれた収容所、左側が親衛隊の居住区でした。かつて親衛隊が暮らしていた建物群があったのでしょうが、今では様々なモニュメントが並ぶメモリアル・パークとなっています。左にすこし進むと、谷をはさんで囚人たちに強制労働をさせた採石場を見渡すことができます。細長く続く狭い階段が「死の階段」ですね。186段の階段を50キロの石を持って登らされ、何千人もの囚人が石を落としてSSに撃たれ、また石の下敷きになって亡くなりました。手前にある崖はSSが囚人たちを突き落とした崖で、その姿から「パラシュートの崖」と名づけられました。ほんとうは近くまで行きたかったのですが、ザンクト・フローリアン修道会のオルガン・コンサートに間に合いたかったので、泣く泣くカット。
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 そして正面ゲートから収容所内へと入ります。中央には細長い縦長の広場があり、一日三回(1943年秋以降は二回)囚人たちの点呼がここで行なわれ、公開処刑も行なわれた場所です。なお、夏の起床時間は午前4時45分(冬は一時間遅くなる)、午前中の労働は6時から正午まで、行進と点呼を含む一時間の休憩後、午後1時から7時まで働かされました。
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 左側に建ち並ぶのが、囚人たちを収容したバラック(barrack)。おそらく復元されたものでしょうが、中に入ると木製の粗末な二段ベッドや洗面所・トイレがありました。また当時の様子を撮影した写真も展示されていました。
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 右側は管理棟、囚人の食事をつくる炊事場や、病人を収容する建物、焼却炉、そしてシャワールームに見せかけたガス室などがあります。その近くにある大きな台は、死体から金歯を抜くためのものだそうです。このガス室で、少なくとも3,455人の囚人がチクロンBによって殺されたそうです。
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 外に出ると、石の壁、監視塔、そして常時380ボルトの電流が流されていた有刺鉄線を間近で見ることができました。
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 本日の五枚です。
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by sabasaba13 | 2014-10-18 07:07 | 海外 | Comments(0)
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