乗車を待つ列に並んでいると、なんと「
顔はめ看板」が脇にありました。"SCHAFBERG 1911"(開業の年?)と記されており、蒸気機関車と紳士淑女が顔はめとなっていました。気をつけてみていると、この顔はめ看板は海外でもけっこう見かけます。いったいどこの誰が考えたのでしょうね。試しにウィキペディアで調べてみると"小説『金色夜叉』の舞台となった熱海に設置された「貫一・お宮」看板が国内で最初という説があるものの、その時期も含めて定かではない"とありました。もしや、
これかな。いやけっこう新しかったから違うな。まあ"秘すれば花"ということにしておきましょう。でも日本がその濫觴のようですね。ちなみに日本以外で採取された例として"台湾や韓国、ハワイに設置が確認されている。またルーマニアのブカレストにある農村博物館には顔はめ看板がいくつか存在する"とありました。(ニヤリ)甘い。
プラーター(ウィーン)でも、
ヨーゼフ広場(ウィーン)でも、
ミハス(スペイン)でも見つけたぜ。すみません、懿公の鶴でした。
その先では、三人の少年が"FLOH MARKT"という札を掲げて、玩具を売っていました。♪さあさみなさん東京名物とってもシックな靴磨き♪と(わかったわかった)… これも日本ではあまり見かけない光景ですね。そしてホームへ、レトロな客車と斜面に合わせて斜めになっている蒸気機関車が停車していました。どやどやと乗り込みますが、不思議なもので蒸気機関車を見ると、みなさんの顔(たぶん我々の顔も)が少年少女のように輝いています。なおこれは後日わかったのですが、実は重油で動く似非蒸気機関車でした。ガイドブックには左側の方が眺めが良いとあったので、ちゃっかりと湖側を陣取りました。向かいに座られたご夫婦は小柄な旦那さんと大柄な奥さん、いわゆる"蚤の夫婦"ですね。山ノ神が英語で会話をすると、奥さんはポーランド人で旦那さんはオーストリア人、今日が結婚記念日だそうです。Congratulation !と周囲の方々から祝福の言葉がかけられましたが、いいですねこういう雰囲気。車窓から外を見ると、線路の中央に歯車状のラック・レールが設置されていました。なるほど急勾配をのぼるためのアプト式鉄道なのですね。ちなみに日本では唯一、
南アルプスあぷとライン(大井川鉄道井川線)にあるのみ。かつては信越本線の横川~軽井沢間でも採用されていましたが、残念ながら廃線となり、現在は「
アプトの道」という遊歩道になっています。
本日の二枚です。