差別大国・日本1

 都議会のセクハラやじ事件のその後について、たいへん興味深くかつ深刻な報告がありましたので、ぜひとも紹介します。まずは毎日新聞の記事で概要を確認しましょう。(2014.6.18)
 東京都議会の本会議で18日、みんなの党会派の塩村文夏(あやか)議員(35)が、女性の妊娠・出産を巡る都の支援体制について一般質問をしていた際に、男性の声で「早く結婚しろよ」「子供もいないのに」などのヤジが飛んだ。
 6月23日に、自民党の鈴木章浩都議が発言を認め謝罪、会派から離脱しましたが、辞職はしておりません。他にもヤジを飛ばした都議がいるはずですが、名乗り出ていません。この事件に対して、多くの陳情や請願が寄せられたようですが、都議会はどう対応したのか。「東京都議会における差別発言を許さない市民一同」の方がその様子を傍聴して、下記のような報告をされています。
 2014年11月22日 -  事件から5ヶ月が過ぎました。昨日、都議会の議会運営委員会をはじめて傍聴してきました。結論からいうと、かなりショックを受けました。その経験について順を追ってお話ししていきます。
私が関心をもっていたのは、都民から寄せられた請願や陳情でした。今回、そのほとんどは、塩村彩夏都議に対する不規則発言をめぐるものでした。請願や陳情は、議会運営委員会の最後にとりあげられ、本会議にかけるかどうか審査されます。ですから私は、都議たちがそうした請願や陳情にどう向き合うのかというところを観察しようとしました。
 あいにく、事務局長が、まるで80年代の小劇場の役者のような滑舌で、あまりにも速く請願・陳情の概要を説明していったせいで、私の頭の回転が追いつかないところも少なからずありました。 あんなスピードで話されては、おそらく都議のみなさんもまたついていくのに必死であるか、さもなければそこではまったく聴いていないのかもしれません。
 ともかく、私の急いでとったメモから、請願・陳情を提出していた各団体や個人を一切区別せずに、拾い上げてみます(ただし正確なところにつきましては、後日都議会のサイトで議事録が公開されると思いますから、どうかそちらをご確認ください)
・女性差別発言を行ったがまだ名乗り出ていない都議を特定すること
・問題解決のために調査委員会を設置すること
・すでに名乗り出ている鈴木あきひろ都議に対する辞職勧告決議を採択すること
・都議の差別発言を禁止する人権条項を制定すること
・自民党会派の吉野利明議長(当時)が差別発言をその場で制止しなかったことを反省し公に謝罪すること
・全都議がヤジについて自制するとともに公に謝罪すること
・全都議を対象として女性の人権に関する研修を行うこと
 私にとっては、上に挙げた請願・陳情はどれもまっとうであって、いままさに都議会にとって必要なことなのではないかと思われました。かち佳代子都議(共産・大田区)や西崎光子都議(生活者ネットワーク・世田谷区)らが採択を求める演説を行ったあと、採決に入りました。
 自民党や公明党の会派は、上に挙げたすべての請願・陳情のうちどれひとつとして賛成しませんでした。民主党の会派は、かなり抽象的な文言のものには賛成しましたが、具体的な対策の提言には賛成しませんでした。維新やみんなも同じようなものでした。具体的な対策を含めて上記の請願・陳情のほとんどに賛成していたのは、大山とも子副委員長、かち佳代子委員、清水ひで子理事、西崎光子委員といった女性議員たちばかりでした。ただし都議会自民党の村上英子幹事長は終始冷ややかで、ときにその場の男性議員たちと同じくらい高圧的ですらありました。
 そういうわけで、女性差別発言に関して多くの都民から寄せられた請願・陳情は、すべて不採択となりました。
 というわけで、東京都議会はこの差別発言を問題化せずに幕を引こうとしています。そういえば、今年の9月には、「アイヌ民族なんて、もういない」などとツイッターに書き込んだ金子快之札幌市議が、自民党札幌市支部連合会によって除名処分にされています。差別発言の大家、石原慎太郎氏はあいかわらず現役で活動しているし、この国の政治家に差別意識がいかに瀰漫していることか。そして彼らは有権者に支持されて選挙で当選しているわけで、その差別意識の裾野の広大さを思うと肌に粟が生じます。差別大国、日本。
 その実態を指摘した本を、最近何冊が読了しました。次回は、それを紹介したいと思います。
by sabasaba13 | 2014-12-08 06:33 | 鶏肋 | Comments(0)
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