オーストリア編(67):ザルツブルク音楽祭(13.8)

 しばし食休みをして、さてそろそろザルツブルク音楽祭へと参りましょう。いろいろと事前に調べたのですが、それほど峻烈なドレス・コードはなさそうです。私は半袖の青いワイシャツ、ノーネクタイ、コットン・パンツ、テニス・シューズといういでたち、山ノ神はシンプルなワンピースにハイヒールでいざ出陣。再びバスに乗って旧市街へ。
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 開演は午後九時なので三十分前に祝祭劇場に入ると、ロビーはもう人であふれかえっていました。やはりほとんどの男性はスーツ姿、女性はドレッシーな服装でしたが、カジュアルな格好をしている方も散見されます。入場を断られず、冷たい視線も感じなかったので、それほど過敏に考える必要はないと思います。なおプログラムはすでに売り切れ、手に入れることができませんでした。
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 さて、祝祭劇場には三つのホール、フェルゼンライトシューレ(Felsenreitschule)と大ホールとモーツァルトのためのホールがあります。映画『サウンド・オブ・ミュージック』に登場した、メンヒスベルク山の岩壁を削ってつくられたのがフェルゼンライトシューレで聴きたかったのですが、残念ながら本公演は大ホールでした。さてロージェ(個室)への行き方がわからずに右往左往していると、すぐに係の方がやってきて親切に教えてくれました。その係の数の多さにも驚愕、周囲を見回すと必ず視野に一人は入ってきます。「経営合理化なぞくそくらえ」「お客さんが第一」というその意気やよし。通されたのは個室の最前席、身を少し乗り出さないとステージ全面が見えないのですが、しかたないでしょう。なお隣の席には日本人女性がおられたのでお話を伺うと、ツァーで来て個人的にチケットを入手されたそうです。ルツェルン音楽祭でアバドを聴き、ザルツブルク音楽祭ではヴェルディのレクイエム(ムーティ・ウィーンフィル)を聴き、明日はドン・カルロを聴かれるとか。ほんとうにクラシック音楽がお好きなのですね。
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 そしてステージに楽団・指揮者・ソリストが登場、いよいよベンジャミン・ブリテンの『戦争レクイエム』の始まりです。指揮はアントニオ・パッパーノ、ソプラノはアンナ・ネトレプコ、テノールはイアン・ポストリッジ、バリトンはトマス・ハンプソン、演奏はサンタ・チェチーリア管弦楽団/合唱団。ただ不覚にも、半分あきらめていたので、この曲に関する事前学習をまったくしなかったことです。ブリテン畢生の大作にして、戦争に反対する思いを込めた曲、そういう漠然としたイメージしかありません。よって歌詞の意味もわからずに、ただ純粋にあふれでる音に耳を集中させるしかありませんでした。なおオーケストラの編成も変則的で、合唱団の伴奏は大編成、ソリストの伴奏は小編成と、二つに分けられています。(おそらく)ラテン語による荘厳な合唱、英語による叙事的でエキセントリックな独唱、そして時々ステージの陰から流れる天使のような歌声(ザルツブルグ祝祭少年合唱団)。緊張感にあふれる真摯な演奏にひきこまれ、あっという間に時は過ぎていきました。大歓声に応えてのカーテン・コールを撮影しながら、これは何としても帰国したらCDを購入して聴き直さなければと決意。

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2014-12-13 06:41 | 海外 | Comments(0)
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