オーストリア編(75):ザルツブルク(13.8)

 まず、モーツァルトは自作を聴衆の前で自ら演奏するという数え切れないほどの経験を積み、それが彼の音楽を鍛え上げたこと。以下引用です。
 ステージで自ら演奏していれば、聴き手が自分の音楽のどこに共感を示し、どの点に不満を抱くか、反応を直接にわがものにできる。経験は次作に必ず生かされるだろう。モーツァルトは現代の作曲家に比し、何倍か、何百倍かの頻度で、そのような経験を味わう機会に恵まれていた。
 モーツァルトの音楽は、実戦に鍛えられた音楽である。一作一作に生活と人生がかかっていた。だから聴く者の心を打つ。
 次に、モーツァルトは群百の音楽家に比して、百倍も千倍も努力した。ただ、彼はその"努力" を「つらい」とか「もういやだ」と思わなかったくらい音楽が好きだったこと。そして第三に、旅が彼の音楽を鍛え上げたということ。彼の作曲技法は、父レオポルトによる薫陶ももちろんあるのですが、旅先で先輩作曲家に教えられたものがかなりの比重を占めるそうです。これは本人に語ってもらいましょう。父に宛てた手紙の一節です。
 凡庸な才能の持ち主なら、旅などしようがしまいが、いつまでも凡庸なままです。しかし卓越した才能の持ち主ならば―ぼく自身がその才能の持ち主であると自負しても、罰は当たらないと思いますが、いつも同じ場所に留まっていたら駄目になってしまいます。(1778.9)
 というわけで、音楽を根っから愛し、作曲技法を身につける努力が苦にならず、旅先でさまざまな音楽家の薫陶を受け、そして結実した曲を聴衆の前で演奏して次なるステップへと自らを鍛え直す。これまでモーツァルトという「天才」の秘密だったのですね。納得しました。
 おっと道草を食ってしまった。そろそろ中央駅へと戻りましょう。バスで中央駅へと戻り、ホテルに寄って預けていた荷物を受け取って再び駅へ。12:02発の列車に乗り込み、空いている席を探します。なおオーストリアの列車はたいへん合理的で、例えば、67番の席は「Innsbruck Hbf - Sargans」と電光掲示されているのでこの区間は指定されている方がいる席、65番の席は空欄なので自由席。並んで空いている席を見つけて座り、「EURAIL ONE COUNTRY PASS」に今日の日付を記入して車掌さんに提示しました。
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 けっこうお世話になった車内販売「Henry」の珈琲を買って飲み、車窓からの風景を楽しみました。うとうとしていると13:51に列車はインスブルックに到着しました。
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 本日の一枚は、インスブルック中央駅です。
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by sabasaba13 | 2014-12-22 06:31 | 海外 | Comments(0)
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