オーストリア編(83):オーバーグルグルへ(13.8)

 朝目覚めてバルコニーに出ると、雲もなく、山も朝日を浴びていました。廊下の窓から眺めると、教会の鐘楼と街並み、そして沈みゆく満月が一幅の絵のようです。よろしい、予定通り今日はオーバーグルグル(Obergurgl)へとハイキングに行きましょう。
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 移動に時間がかかるので早めに朝食をとることにしましょう。山ノ神が気を利かせてハムサンドを作ってくれたので、ゆで卵・リンゴと共に持参してハイキングの途中で食べることにしました。そして身支度をととのえてバスに乗り、インスブルック中央駅へ。構内で日本人団体御一行と遭遇、もしかすると目的地は同じかもしれません。8:56発の列車に乗り込むと、座席はコンパートメント。座席番号ホルダーに何も入っていないところが自由席ですね、けっこうがらがらに空いていました。
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 発車するとすぐに山ノ神が「あれ!」と素っ頓狂な声を出したので、指差す方向を見ると…なんとそこには見事な扇形機関庫と転車台が。さすがは糟糠の妻、よくぞ気がついてくれました。復路で忘れずに撮影することにしましょう。9:22にエッツタール(Otztal)駅に到着、さきほどの団体は下車しなかったので、この先のザンクト・アントン(St.Anton)まで行ってハイキングをするのかもしれません。ガイドブックによると、ここからオーバーグルグルまでバスで1時間25分、1~2時間おきの運行とのこと。幸い、駅前の停留所に行くと約二十分後にバスが来ます。石造りの重厚な駅舎を撮影し、銀行に寄ってお金をおろすと、後部に自転車を乗せるカーゴをつけたバスがやってきました。自転車で余暇を楽しむというこの姿勢、ほんとうに見習いたいものです。
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 乗客はわれわれ二人のみ、拍子抜けしてしまいましたが、とんでも八分歩いて十六分、途中にあるリゾート地で停車する度に続々とハイカーが乗り込んできて、結局立つ人も出るくらいの満席になってしまいました。後ろの席に座っていた老夫婦が、「滝が見えるよ」と教えてくれたのには感謝。やがて羊腸の山道となり、バスはぐんぐんとのぼっていきます。道路端に停まっていたバスの電光表示に、「PAUSE(休憩中)」という文字とともに珈琲カップが映されていたのには笑ってしまいました。そしてバスはホッホグルグルバーン(Hochgurglbahn)のゴンドラ駅前に到着。ガイドブックによると、ここからゴンドラ・リフト二区間と四人乗りチェア・リフトを乗り継ぐと、標高3082m、ヴルムコーゲル(Wurmkogel)の山頂近くまで行けて、そこから眺めるイタリアのドロミテ・アルプスが素晴らしいそうです。半分近い乗客が降り、私も逡巡したのですが、天気の良いうちに早くホーエ・ムート(Hohe Mut)に行って氷河の近くを歩きたいというあせりもあり終点まで乗ることにしました。帰りに寄れるだろうと甘く考えていたのですが、これは裏目に出てしまいました。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2015-01-11 08:58 | 海外 | Comments(0)
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