オーストリア編(85):オーバーグルグル(13.8)

 一時間半ほどでシェーンヴィースヒュッテが見えてきました。ここで食事も取れ、トイレも利用できますが(たぶん)、寄らずに先へ進むことにしました。ここからもよく整備された歩道が続きます。われわれのようなど素人ハイカーでも問題なく歩けますが、砂利などで滑りやすい箇所があるのでやはりトレッキング・シューズは必要でしょう。
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 滝あり、マッターホルンに似た山あり、森林あり、緑野ありと、変化に富んだ風景を楽しみながらてくてくとオーバーグルグルに向かいます。立ち止まって写真を撮っていると、下からのぼってきた地元ハイカーのご夫婦に「楽しんでいるかい」と声をかけられました。山ノ神が英語で会話をしたところ、リタイアして夫婦で山歩きを楽しんでおられるとか。このあたりでは、夏は七月と八月で終わりだそうです。そうそう、ハイカーとすれちがう時の挨拶は"グリュス・ゴット"(Gruess Gott)が多かったですね。
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 やがてオーバーグルグルが見えてきましたが、情けないことに道に迷ってしまい、味気のない車道を歩くはめになりました。やれやれ。それではドロミテ・アルプスを拝むために、ホッホグルグルバーンへと参りましょう。バス停留所で運転手さんに確認して、ゴンドラに行くバスに乗り込みました。数分で中間駅へ着き、第二ゴンドラに搭乗。
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 そして最後の四人乗りチェア・リフト乗り場に駆けつけると…Time out. 時刻は午後五時すこし過ぎ。リフトの営業は終わったところでした。嗚呼、リフトの終点も、山頂も、展望台も、ここから見えるのに、あそこに行けば懐かしいドロミテが見られるのに。もちろん、歩いてあそこまで登るガッツも体力もわれわれにはありません。山ノ神は憮然とした表情で「さっき行けばよかったのに」と呟きますが、返す言葉もありません。ゴメンねゴメンね、三遊亭小円遊、などと苦しくつまらないギャグを飛ばしてこの凍てついた空気を和ませるのが関の山。はい、教訓です。「思い立ったが吉日」。しかと銘肝しました。
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 というわけでダンケルクから撤退するイギリス軍のように、ゴンドラに乗って下山しました。ゴンドラからの眺めが素晴らしかったのがせめてもの慰め…になっていないか。
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 二本乗り継いで山麓駅に着くと、エッツタール行きのバスを待つ方々で長蛇の列ができています。やってきたバスの後部ドアからみんなで乗り込もうとすると、運転手さんがあわてて「だめだ! チケットを見せろ」と怒号します。みんなでチケットを上にかざすと、彼もあきらめ顔で「いいから乗れ」という仕草。途中のリゾート地で次々と下車し、結局終点のエッツタール駅まで乗っていたのはわれわれ二人のみでした。

 本日の四枚です。
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by sabasaba13 | 2015-01-13 06:31 | 海外 | Comments(0)
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