北海道編(26):釧路(13.9)

 朝、なんと五時に目が覚めてしまいました。今朝秋や見入る鏡に親の顔(村上鬼城)、今朝秋や見入る股間の白髪かな(邪想庵:私の俳号です)、これも老化の初期症状でしょうか。いたしかたない。つひに行く道とはかねて聞きしかど 昨日今日とは思はざりしを(西行)。これを奇貨として、朝飯前に釧路市内の散策をすることにしましょう。ホテルから飛び出たのが午前五時半、玲瓏な空気を吸い、人通りもない静謐な町を歩くのは気持ちがよいものです。釧路駅を通り過ぎ、北大通を歩いていると、街灯やマンホールの蓋などに鶴の意匠がほどこされているのに気づきました。道路の行き先表示を見ると「鶴居 35km」、ああ成程、鶴の飛来地で有名な鶴居が近いのですね。『がきデカ』に出てくる、"鶴居村からツルが来るぅ~"というギャグでその名を知りました。"練馬名物またぐら納豆"には腹が立ちましたが。
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 「旭小学校よ永遠なれ」という大きな看板がありましたが、90年の歴史とともに閉校となったのですね。合掌。しばらく行くと、札幌の豊平橋、旭川の旭橋と並び称される北海道三大名橋の一つ、幣舞(ぬさまい)橋に着きました。現在の橋は初代幣舞橋から数えて五代目として1976年(昭和51年)に建設されたもので、広い太平洋を背景に空全体を紅に染める夕陽、夏の白い霧中に浮かぶ橋影と街路灯など、幻想的な風景で有名だそうです。なお持参した『まっぷる北海道』(昭文社)によると、世界三大夕日は、釧路、バリ島、マニラとのこと。ほんとかな。橋の欄干には春・夏・秋・冬を表現する「四季の像」を配されています。ちょうど雄大な朝日が釧路川の川面を黄金色に染め上げていました。
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 橋を渡ると、「釧路へようこそ!! 僕がクーちゃんです ここは、僕がよく出現した場所です」と記されたラッコの写真が掲示してありました。どうやらこのラッコがこのあたりによく現れたのですね。なお釧路フィッシャーマンマンズワーフMOO1階「MOOガイド」、または幣舞橋横「幣舞観光ガイドステーション」に行くと、クーちゃんの特別住民票がもらえるという耳寄りな情報も記されていました。別に欲しくはありませんが。その先にあったのが「北海道第十三選挙区支部長 鈴木宗男」と書かれた自民党の掲示板。毀誉褒貶のある御仁、私も即断はできかねます。ただこれから訪れる納沙布岬に近い"北方領土"とのからみで言うと、ちょっと興味を引かれます。『日本人は人を殺しに行くのか』(伊勢﨑賢治 朝日新書485)によると、1990年代半ばに、彼と外交官の佐藤優氏が、ロシアが経済的に困窮状態にあったのを機に、「二島返還&共同開発」でこの問題を解決に導こうとしたそうです。日本もロシアも共に出資し、両国から人が行き来する繁栄の地にしようとしたのですが、彼の失脚により水泡と化しました。(p.208) なおこの一件については、佐藤優氏が『国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて』(新潮文庫)の中で回想されています。これは読み応えのある一冊でした。お薦め。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2015-03-16 06:30 | 北海道 | Comments(0)
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