北海道編(39):根室(13.9)

 13:00発のバスに乗り込み、新茶屋前あたりで目を皿のようにして海岸方向を凝視していると…コンクリート製の直方体を二つ見つけました。恐らくあれがトーチカですね。『日本の戦争遺跡』(平凡社新書)から引用します。
 1943年5月、アリューシャン列島のアッツ島が玉砕、7月末にはキスカ島を撤退し、日本軍は守勢にまわった。そして北太平洋の第一線は千島、樺太と北海道本島となり、陸軍はその防衛強化に入ったのである。…方面軍は中部太平洋方面のアメリカ軍が直路マリアナに進攻したことから、北部においてもアリューシャン、千島を攻撃せず、直接北海道へ上陸する可能性が強いとの判断から、道東の網走、根室、釧路、十勝海岸と道西の勇払・鵡川海岸を上陸の最重要地点と想定した。(p.59)
 13:44に根室駅前に到着。再び観光案内所に立ち寄って、根室B級グルメ「エスカロップ」を食べられるお店を訊ねたところ、「どりあん」という喫茶店で食べられるそうです。ときわ台公園に寄って、「どりあん」で「エスカロップ」を食べて、タクシーをつかまえて根室キリスト教会・明治公園・花咲灯台・落石岬灯台をまわってもらい、落石駅から釧路に戻ることにしました。ちょっと心配なのが、落石岬灯台まで車道から歩いて二十分以上かかりそうなこと。これは運転手さんと交渉するしかありませんね。
 駅近くの交番にはロシア語のキリル文字が記されており、なんとロシア語のみによる町の地図もありました。ロシアは隣人なのだという当たり前のことを思い知らされます。
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 数分歩いてときわ台公園に行くと、まずは近代彫刻三大巨匠の一人、アントワーヌ・ブローデルの彫刻「力の胸像」がお出迎え。(ちなみにあとの二人は、ロダンとマイヨール) アルゼンチンに解放と勝利をもたらしたアルヴェアル将軍の四人の勇者の一人で「力」を表現したものだそうです。「歴史の然(ぜん)」というモニュメントは、1792年、女帝エカテリーナ2世の命を受け、アダム・ラクスマン一行が、漂流民大黒屋光太夫ほか2名の送還と日本との通商交渉のために、根室に来航したことを記念したもの。ロシアとの通交・通商は、ここ根室から始まるということですね。
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 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2015-04-15 06:34 | 北海道 | Comments(0)
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