植治の庭編(10):菊水(13.11)

 その先にあるのが「京料理 京の宿 菊水」、元呉服商寺村助右衛門の別荘で、庭園は小川治兵衛の作庭によるものです。こちらでゆどうふ膳をいただき、その後にお庭を見せていただきましょう。なお食事せずに庭を見せてもらえるかどうかは未確認です。二階の和室に通されましたが客はわれわれのみ、ゆったりまったりとした雰囲気で湯豆腐を楽しむことができました。ちなみにお値段は四千円でした。
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 それではお庭を拝見いたしましょう。植治らしく、疎水を利用した流れがしつらえてありました。流れの上にせりだした茶室、石組と小さな滝、その清冽な水音、一枚石の橋と沢飛び石の対比の妙、橋脚を利用した手水鉢、"水と石の魔術師"の面目躍如です。築山もあって、そぞろ歩きながら景観の変化も楽しめます。なお円山公園の桜と兄弟と言われる枝垂れ桜があるとのこと、春にも訪れてみたいものです。
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 腹福眼福、次にめざすは洛翠庭園です。南禅寺参道に「ゲリラから文化財を守る」という掲示がありましたが、南禅寺を破壊するゲリラっているのでしょうか。参道入口から北へ歩いていくと立派な門がありましたが、解説によると「不明門(あけずのもん)」で伏見城から移築したそうです。この内側が洛翠庭園なのですね。2013.10.26放映の『美の巨人たち』を見て、その素晴らしさに感銘しました。番組のホームページから引用します。
 今日の作品は、"水と石の魔術師"と呼ばれた作庭家・小川治兵衞の代表作『洛翠庭園』。京都市内、南禅寺に近い閑静な住宅街にある、広さおよそ1000坪の"五感で味わう"庭です。
 明治42年に実業家の藤田小太郎の依頼を受け作られました。大きな池の周囲は、うっそうとした緑が生い茂っています。流れるのは琵琶湖疏水から引かれた水。沢渡の飛び石の先に現れる一枚岩の石橋は、二億年前の地殻変動で生まれた青石が使われています。橋を渡ると見えてくるのは明るく伸びやかな庭園。この庭を歩く人の視線は、至る所におかれた石から池の水へ移り、そして遥かに見える東山の街並みと都の空へ…とその流れは下から奥へとなだらかに誘導しているのです。その訳とは…? (中略) 今日の作品を上から眺めると…池は琵琶湖の形。なぜ彼は、庭の中にもう一つの琵琶湖を作ったのでしょう。そして、この庭を構成するすべてのものが、たった一つの目的のために配置されていたのです。それは一体…?小川治兵衞が丹精込めて作り上げた癒しの空間に潜む、驚きの発想と工夫をお楽しみに。
 かつては郵政省共済組合が宿泊施設としていましたが2009年5月に閉館、一般競争入札になり、日本調剤が落札したということです。しかし事前に調べたところ一般公開はされていない模様。しかし日本調剤なら、ラリー・エリソンや野村財閥やニトリよりは与し易いと勝手に判断し、アポなしで見学を申し入れることにしました。アラファト議長に「てんとう虫のサンバ」を歌ってもらうよりは容易でしょう。しかし無情にも門扉は堅く閉ざされていました。インターフォンがあったので意を決してボタンを押し、精一杯愛想よく見学を申し入れると、「申し訳ありませんが公開はしておりません」とあっさり断られてしまいました。入口に「日本調剤研修・保養所」とあったので、調剤士の知人を得ることに尽力しましょう。
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 本日の五枚です。
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by sabasaba13 | 2015-05-30 06:27 | 京都 | Comments(0)
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