重森三玲の庭編(1):前口上(14.3)

 2014年弥生の終り頃、私も山ノ神も四日間休暇がとれることになりました。さあ何して遊ぼう高砂屋。もちろん旅行ということで意見は一致しました。さあどこへ行こう。まずマイルが貯まり国内航空便が利用できるので、遠出をしましょう。前回の旅で小川治兵衛の庭めぐりをした際に、たいへん参考になったのが『シリーズ 京の庭の巨匠たち 2 植治』(京都通信社)でした。その姉妹編として『重森三玲』『重森三玲Ⅱ』があることがわかり、さっそく購入して拝読していたところ、岡山県吉備中央町に天籟庵・重森三玲記念館・友琳の庭、兵庫県篠山市に如月庵庭園、兵庫県丹波市に石像寺「四神相応の庭」、大坂城に豊国神社「秀石庭」、岸和田に「八陣の庭」、和泉砂川に「法林の庭」があることが判明しました。これは四日間の旅程で何とかなるのではないかい。条件としては、①往復とも飛行機を利用、②宿泊地はできる限り移動しない、③山ノ神が嫌な顔をしない、です。さっそく仕事を2/7ほどほったらかし全知全能を傾けて計画をねりました。できた! 第一日目は、飛行機で岡山へ。天籟庵・重森三玲記念館・友琳の庭を拝見し、備中高梁を見物。宿泊地は神戸。第二日目は、如月庵庭園と四神相応の庭を拝見して篠山を見物、宿泊地は神戸。第三日目は北野と旧山邑邸を中心に神戸を散策、宿泊地は神戸。第四日目は秀石庭・八陣の庭・法林の庭を拝見して、関西国際空港から飛行機で帰郷。やった、perfetto。山ノ神にお伺いをたてると、「神戸に三日も泊まるの、嬉しい! 服を買って豚まんが食べられる」という訳の分からない御神託がでたので一安心。ロハの飛行機を往復で予約し、神戸メリケンパークオリエンタルホテルの部屋を三日間おさえて準備完了です。

 まずは同書の裏カバーより、重森三玲についての紹介を引用します。
重森三玲(1896-1975)
 作庭家であり庭園研究者、茶道史家であり茶室を設計する茶人、花道史研究家であり近代いけばなの理論家である重森三玲。美の理想を完璧なまでに追い求めた芸術理想主義者は、巨石を花のごとくに立て、色彩を加え、メッセージに満ちた立体造形芸術として庭を表現した。神がみと交信し、響きあう空間としての超自然の庭を創造しようと試みるなかで、三玲の意識は、当然の帰結として普遍的な美・永遠のモダンを追及することに収斂・昇華した。その新しい感覚と挑戦のもとに多くの庭を21世紀に残した三玲は、当時もいまも伝統だけではあきたりない日本の若者たち、さらには欧米の人たちから熱い視線を浴びる。
 拙ブログの「写真館」→「重森三玲の庭」でも紹介したように、これまで東福寺方丈・大徳寺瑞峯院・重森三玲庭園美術館・光明院波心庭・松尾大社を訪れて彼のお庭を拝見してきました。大胆にして繊細、過去の伝統を踏まえながらもそれに呪縛されず、あくまでも己の美意識を表現しようとする強靭な意志、末来の日本庭園を照らし出そうとする炬火のような志、今では私がもっとも敬愛する庭師、いや芸術家の一人。じっくりと彼の世界に包まれてこようと思います。あわよくば桜の開花にもすこし期待したいですね。持参した本は『過去は死なない メディア・記憶・歴史』(テッサ・モーリス-スズキ 岩波現代文庫)と『完訳 マルコムX自伝』(中公文庫)です。
by sabasaba13 | 2015-07-04 17:01 | 山陽 | Comments(0)
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