スイス編(76):パレ・デ・ナシオン(14.8)

 そして旧館へ。窓からは、金でメッキされた85の星座と銀でメッキされた840の星々を組み合わせた天球の彫像が見えました。「Salle des Pas Perdus」と呼ばれるギャラリーを歩いていると、地球を模した大きな壺が展示してありました。
c0051620_7295420.jpg

 そしてオリジナルの壁画が残る会議室へ。確言はできませんが、おそらくここが国際連盟のメイン会議場だったのでしょう。(ということにしておいて)国際連盟総会において、満州事変と「満州国」建国に対して日本軍の撤退を求める報告案が賛成42、反対1、棄権1という形で示され、それを不服とする松岡洋右ほか日本代表団は議場から退場したのがここだったのか。(1933.2.24 国際連盟脱退は同年3.27) 感無量です。なお「松岡洋右」で検索すると、YOU TUBEでその時の彼の演説を見ることができます。また1954年に開催された、朝鮮問題・インドシナ問題をめぐるジュネーヴ会議(インドシナ休戦協定が成立)や、1955年に開かれた米ソ英仏首脳による国際首脳会談(アイゼンハウアー、フルシチョフ、イーデン、フォール)など、さまざまな歴史的な会議もここで開かれたのかもしれません。市井の一歴史学徒として、その現場を訪れることができて幸せです。なお壁に描かれている壁画はスペイン政府から贈られたもので、カタロニアの画家ホセ・マリア・セルトの作品だそうです。健康、技術、自由、平和を通して成長する人類を描き、その中の一枚には1つの武器を握る5人の巨人を描いています。5人の巨人は地球上の5つの大陸を代表しており、戦争を止めるための解決策を表しているそうです。なるほど。
c0051620_7301982.jpg

 でもどうすれば戦争をなくすことができるのでしょうか。凡百な意見ですが、知り、考え、勇気を持ち、行動し、手を取り合う。少なくとも戦争に対して無知、無関心ではあるまいと自戒したいと思います。そして私たちは一人ではない、過去に数多の先哲たちが考え抜いてきたことも忘れずにいたいと思います。彼らが遺してくれた珠玉の言葉を紹介しましょう。
 若し世界が、彼らの紛争を解決する方法を、今日もなほ-然り、二十年前に斃れたものの死骸をなほ発見しては葬りつつある今日もなほ-戦争以外に見出しえぬとするならば、それなら、こんな世界は滅びて了つてもよい! (ボールドウィン)

 戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。(ユネスコ憲章)

 戦争は、人類の宿命ではない。(佐原真)

 戦争は想像力の恐るべき欠如である。(フランツ・カフカ)

 我が国が必要としているのは、永久的な戦争経済である。(ジェネラル・エレクトリック社長 チャールス・ウイルソン)

 戦争の種子は経済の拡大によって蒔かれる。(サティシュ・クマール)

 国家間の武力紛争は私たちを恐怖に陥れる。だが経済戦争も武力紛争と同じくらい悲惨である。経済戦争はいわば外科手術のようなもので、延々と続く拷問にも等しい。それがもたらす惨害は、戦争文学に描かれた悲劇に劣ることはない。私たちが経済戦争について関心を払わないのは、その致命的な影響に慣れてしまっているからだ。戦争に反対する運動は健全であり、私はその成功を祈っている。だがその運動が、あらゆる悪の根源にあるもの-人間の欲望-に触れずに失敗に終わるという恐れに、私は絶え間なく苛まれている。(『非暴力-最大の武器』 マハトマ・ガンジー)

 君たちに過去の戦争責任はない。ただし、将来それを繰り返さない責任はある。(某収容所体験者)

 わたしは世界の王、「資本」である。虚偽と羨望と吝嗇と詭弁と殺人に警護されてわたしは進む。わたしは、家庭に分裂、市に戦争をもたらす。わたしの行くところすべてに憎悪と絶望と悲惨と疾病と死の種をまく。(『怠ける権利』 ポール・ラファルグ)

 すべての道化は戦争を否定する。戦争とはこわばりであり、道化とはすべてのこわばりの敵であるからだ。(フランソワ・ラブレー)

 もちろん、一般の国民は戦争を望みません。…でも指導者にとって、戦争を起こすことはそれほど難しくありません。国民に向かって、我々は今、攻撃されているのだと危機を煽り、平和主義者に対しては、愛国心が欠けていると非難すればよいのです。このやりかたは、どんな国でも有効です。(ニュルンベルク裁判におけるゲーリング)

 男が戦争好きなのは、その時だけ立派に見えるからだ。女に笑われないですむ唯一の機会だからだ。(ジョン・ファウルズ)

 本日の二枚です。
c0051620_7304875.jpg

c0051620_7311154.jpg

by sabasaba13 | 2016-01-23 07:31 | 海外 | Comments(0)
<< スイス編(77):パレ・デ・ナ... スイス編(75):パレ・デ・ナ... >>