スイス編(85):小さな家(14.8)

 なお近くにあった地下駐車場のトイレは無料でした。その先にあるiで山ノ神に訊ねてもらったところ、やはり先ほどのバスで「小さな家」まで行けるとのことでした。やった。停留所に行き、「ヴヴェイ・フニ」行きのバスに乗り込むと、「ヴヴェイ・フニクラーレ」というケーブルカー駅が終着でした。なおここヴヴェイは、チャールズ・チャプリンが晩年を過ごし、オードリー・ヘプバーンがその人生を終える最期の時を過ごした事でも知られる町です。チャプリンの銅像も湖畔にあるそうです。近くにローカル線のヴヴェイ・フニ駅がありましたが、本線のヴヴェイ・フニ駅まではバスで行かなければなりません。とりあえずル・コルビュジェの「小さな家」を見学しましょう。ネスレ本社の前を通り過ぎすこし歩くと「VILLA LE LAC Le Corbusier ←」という看板がありました。数分歩くと…ありました。外見は、細長いただの箱、この中にどんな秘密が隠されているのか楽しみです。
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 まずは『ル・コルビュジエの勇気ある住宅』(安藤忠雄 新潮社)から引用しましょう。
 スイス・レマン湖のほとりに、ル・コルビュジエが両親のためにつくった〈小さな家〉が建っています。年老いたふたりが隠棲するための住宅として1923年に計画されたもので、ちょうど「住宅は住むための機械である」という有名なフレーズを書いた年にあたります。この挑戦的な言葉は、そのインパクトゆえにいつも誤解を招きますが、「機械」とはあくまでも人間らしく"住まう"ための機能、もっともすぐれたムダのない空間を意味しているのだと私は思っています。
 確かに、この小住宅でも必要最小限の床面積でいかに暮らしよい住まいをつくるかに力が注がれています。奥行4メートル、長さ16メートルという横長の家を、ドアではなく壁でゆるやかに仕切り、居間、寝室、浴室と続く動線にもかなり気を遣っています。が、なんといってもすばらしいのは、湖をのぞむ南側に穿たれた長さ11メートルもの窓。リボン・ウィンドウと呼ばれるこの開口部からは、青々としたレマン湖、そしてその向こうに連なるアルプスの雄大な山々をのぞむことができます。奥行のない小さな住宅に広がりをもたせる仕掛けになっているのです。
 ル・コルビュジエが後年、この住宅について書いた『小さな家』という本によると、まず家のプランが先に決まっていて、それから敷地を求めてあちこち見て歩いたそうです。そして見つけたのが「まるで手袋に手を入れるようにぴったりとしていた」このレマン湖畔の土地でした。(p.52~3)

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2016-02-04 06:34 | 海外 | Comments(0)
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