そして二階へ。一階廊下脇の小部屋の壁にある照明は、破損せずに残っていた唯一の照明器具だそうです。ランプシェードには、小笠原家の表紋である「三階菱」が刻まれています。二階にあがると女中頭の部屋がありますが、現在では結婚式・披露宴の控室として利用されているそうです。山ノ神曰く、「あたしの部屋より広い」。あのお…僕の部屋でもあるのですが… それはさておき、屋上に出ると庭や中庭(パティオ)を一望できます。パーゴラと呼ばれる藤棚は、当時の設計図と写真をもとに復元したもの。
床面のタイルは、ボランティアの方々によって丁寧に磨きなおされた当時のものだそうです。屋上の片隅にある小部屋は何に使われていたのか不明ですが、鳥小屋ではないかと思われます。なお屋上からは、さきほど拝見したシガー・ルームの半円形の外壁と青いスペイン瓦を見下ろせます。壁面を飾る愉しいタイルは、後ほどゆっくりと鑑賞しましょう。
そしてふたたび階下へ。スペイン建築の特徴である中庭(パティオ)が建物の中心に位置し、屋上庭園につながる階段が配置されており、変化のある景観をかたちづくっています。なお噴水の彫刻は、彫刻家・浅倉文夫に師事していた当主の作品だそうです。
本日の二枚です。