「東京空襲犠牲者を追悼し平和を祈念する碑」というモニュメントに合掌して先へ進むと「朝鮮人犠牲者追悼碑」があります。
合掌
碑文を転記します。
この歴史を永遠に忘れず在日朝鮮人と固く手を握り、日朝親善・アジア平和を打ちたてん 藤森成吉
一九二三年九月発生した関東大震災の混乱のなかで、あやまった策動と流言蜚語のため六千余名にのぼる朝鮮人が尊い生命を奪われました。
私たちは、震災五十周年をむかえ、朝鮮人犠牲者を心から追悼します。
この事件の真実を識ることは不幸な歴史をくりかえさず、民族差別を無くし、人権を尊重し、善隣友好と平和の大道を拓く礎となることを信じます。思想、信条の相違を越えて、この碑の建設に寄せられた日本人の誠意と献身が、日本と朝鮮両民族の永遠の親善の力となることを期待します。
一九七三年九月
関東大震災朝鮮人犠牲者
追悼行事実行委員会
一読、「あやまった策動と流言蛮語」を誰がおこしたのか、そして誰の手によって「六千余名にのぼる朝鮮人が尊い生命を奪われ」たのかを明記していないことに気づきます。「不幸な歴史をくりかえさ」ないためには、加害責任が誰にあるのかをはっきりさせなければ、そして謝罪と補償を行わなければいけないのに。さらに言えば、日本政府は今に至るまで事実の調査と真相の究明にまったく手を付けていないことを思うと暗然とします。
この公園を訪れて気になったことを二つ、追記します。
ひとつめ。関東大震災の犠牲者と東京空襲の犠牲者を同じ場所で追悼してよいものかということ。前者には、天災によるもの、人災(虐殺)によるものがあり、後者は明らかにアメリカ軍による人災(無差別爆撃)です。東京空襲を天災の如くあつかうことによってアメリカの戦争犯罪を免責し、ひいてはアジアに対する日本の戦争責任も免責してもらおうとする腹なのでしょうか。
ふたつめ。ここで追悼される空襲の犠牲者の中には、大震災時に朝鮮人を虐殺した方が含まれている可能性があるということ。やはり二つに分けた追悼の施設が必要だと考えます。
本日の二枚です。