若草山山焼き編(16):旧大乗院庭園(15.1)

 パチ。目が覚めてカーテンを開けると、今日もお天気は良さそうです。洗顔をしようと洗面所に入ると…小山のようにあったアメニティ・グッズが消滅しています。寝惚け顔で入ってきた山ノ神曰く、「夜中にコロボックルが持っていったわ」。そうきたか。ホテルにはちょっとしたお庭があるので、朝の散歩をしました。「乃木将軍お手植えの松」があり、「明治四十四年十月 師団対抗演習の統裁官として御来館記念」と記されていたので、おそらく日露戦争に備えての演習だったのでしょう。小さな石段をおりると荒池のほとりをめぐる遊歩道があったので、しばし散策。
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 そしてメインダイニングルーム「三笠」へ行き、茶粥定食をいただきました。朝の目覚めに優しい茶粥は、奈良の地元の人たちも普段からよく食べるそうです。粥をすすりながら、山ノ神に本日の行程をレクチャーしました。ホテルで自転車を借りて、旧大乗院庭園と新薬師寺あたりを徘徊、県庁の屋上にのべって古都奈良を睥睨し、列車で大和郡山に移動して杉山小児科医院診療棟と赤線跡を見物して京都へ戻り、新幹線で帰郷、というわけのわからない予定です。
 そして部屋に戻って出立の準備、「ずっとここに住みたい」と宣う山ノ神を、「住めば」と冷たく突き放す非情な私。階下におりてお土産を物色していると、さすがは"倒るる所に土をつかむ"山ノ神、柿の葉寿司を無料でもらえるクーポンを目敏く見つけて手に入れました。そしてチェックアウトをして、ホテルの自転車を借りることにしました。電動アシスト付自転車は1,296円/1日、ノーマル変速付自転車は864円/1日。逡巡しましたが、高円山のふもとにある白毫寺に行って奈良市街の眺望を楽しもうと思いますので、坂道があるであろうと予測して前者を借りることにしましたが、結果として大正解でした。荷物をフロントに預けていざ出発。まずはホテルのすぐ隣にある旧大乗院庭園を訪れました。ホテルの公式サイトから転記します。
 奈良ホテルの南側に隣接する「名勝 旧大乗院庭園」が2010年4月3日より、一般公開を開始いたしました。
 大乗院とは、1087年(寛治元年)に創建され、平安時代から江戸時代に栄えた門跡寺院のひとつ。(藤原氏の子弟が入室し、興福寺の別当職を輩出していた) 治承4年(1180年)の南都焼き討ちによる焼失後に現在地に移り、廃仏毀釈の影響で明治初年に廃寺となるまで存続していました。現在、その敷地内の一部が奈良ホテルとなっています。
 同庭園は室町時代の徳政一揆で荒廃しましたが、その後門跡尋尊大僧正の依頼により、室町時代に活躍した作庭の名手善阿弥によって改造されます。将軍足利義政を始め公家たちがしばしば拝観に訪れ、以降、明治初頭まで南都随一の名園と称えられていました。
 一時は奈良ホテルのテニスコートやパターゴルフ場が設置されたこともありましたが、戦後その一部が整備され、1958年(昭和33年)国の名勝に指定されるに至りました。
 1995年からは奈良文化財研究所による発掘調査と並行して、江戸時代末期の門跡・隆温が描いた「大乗院四季真景図」をもとに復元工事が進められ、この度平城遷都1300年祭に伴い、一般公開を開始いたしました。
 古い建造物などはないのですが、芝生・池・木々・赤い橋がきれいな広々とした庭園です。鏡のような湖面が風景を映してきれいでした。鴨たちも日向ぼっこを楽しんでいました。
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 本日の三枚です。
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by sabasaba13 | 2017-06-02 06:30 | 近畿 | Comments(0)
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