言葉の花綵161

 お望みならば、私を売国奴と呼んでくださってもけっこうです。決しておそれません。…他国を侵略するばかりか、罪のない難民の上にこの世の地獄を平然と作りだしている人たちと同じ国民に属していることのほうを、私はより大きい恥としています。日中両国民の間には、いかなる基本的な敵対感情も存在していません。(長谷川テル)

 生命を生み出す母親は 生命を育て 生命を守ることをのぞみます (「世界母親大会」宣言)

 凡そ戦いより生ずる所の災禍は誰か之れに当る乎。兵を執りて闘う者は即ち民なり、金を出して軍費に充る者は即ち民なり、慮舎焚焼せられて其害を受る者は即ち民なり。(中江兆民 『三酔人経倫問答』)

 「狂気」なしでは偉大な事業はなしとげられない、と申す人々も居られます。それはうそであります。「狂気」によってなされた事業は、必ず荒廃と犠牲を伴います。真に偉大な事業は、「狂気」に捕えられやすい人間であることを、人一倍自覚した人間的な人間によって、誠実に執拗に地道になされるものであります。(渡辺一夫)

 私たちが音楽の美しさを共有したとき、私は私たちが兄弟姉妹であり、おなじ家族の一員なのだと知った。恐ろしい戦争が時を隔てようと、国と国とがばかげた縄張りを争おうと、私はずっとこの認識をもちつづけた。それは最後まで変わらないだろう。私は世界中の人びとが、幸福と、美を愛する心で結ばれて、一つの大きなコンサート会場にいるかのようにともに坐る日を待ち望んでいる。(パブロ・カザルス)

 中国大陸で…、女をはだかにし、一生懸命逃げるのをまるで兎か何かを狩るように撃った話を、何の良心のカシャクもなく、むしろ懐旧の念にかられて語る人に会ったことがあります。その人は、社会的に地位のある人であり、私の心は暗たんとしたことを覚えています。結論から申し上げれば、戦争責任の問題において、私の描きたいのは、こうした人々の内部の問題です。(今井正)

 戦争中の若者たちは、君に忠とかいわれて、命を捧げて出陣していきました。わたしの息子もそう。そして、とうとう帰りませんでした。だから、わたしは言いたい。人間兵器となって死んだ英雄たちよ。もう眠りから覚めよ、と。さァさァ、わたしたちと、一緒に立ち上がろう。さァさァ、協力しよう。永遠の平和を確立するために…。(阿波根昌鴻)
by sabasaba13 | 2017-06-18 06:30 | 言葉の花綵 | Comments(0)
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