山城博治氏・井筒高雄氏講演会

 辺野古や高江での米軍基地反対運動の中心となって尽力されてきた山城博治さん。『DAYS JAPAN』に掲載されたロング・インタビューを読んでいたく感銘を受けました。同誌によると、『DAYS JAPAN』主催による彼の講演会が開かれるとのこと。これはぜひ聞きたい、一昨日、山ノ神と「中野ゼロホール」に行ってまいりました。タイトルは「共謀罪を絶対廃止に!講演会」、山城博治さん(沖縄平和運動センター議長)の「自由と民主主義を守る最前線。沖縄から今、伝えたいこと」という講演と、井筒高雄さん(元自衛隊レンジャー隊員)の「先島諸島への自衛隊配備で、日本がアメリカの戦争を担う日」という講演です。
 6月22日の木曜日、ふたりで自転車に乗って中野へ向かいましたが、気がかりだったのは…参加者が少ないのではないか。共謀罪法案が成立し、落胆した方々が増えたのではないか、という懸念です。ところが会場に着くと「満席」という掲示、そしてキャンセル待ちの列、これは嬉しかった。負けない人たち、諦めない人たち、そして安倍上等兵内閣に怒る人たちがこんなにいるんだ。勇気と元気をもらいました。これだけでも来た甲斐があったというものです。507席のホールはほぼ満員でした。

 さあ始まりです。広河隆一氏の後を継いだ『DAYS JAPAN』の若き編集長・丸井春氏によるお二人の紹介、そして万雷の拍手とともに、山城博治氏が登壇しました。
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 まずは6月15日、ジュネーヴの国連人権理事会での演説に関する報告です。山城氏は、この委員会で、「日本政府が沖縄の軍事化に反対する市民を大規模な警察力で弾圧し、暴力的に排除している」「自らの長期拘束について、当局による明らかな人権侵害だ」と訴えたのですね。その際に、国連の関係者から「君はHuman rights defenderだ」「世界は日本の動きを注視している」と言われたそうです。そう私たちは孤立していない、人権を擁護しようとする世界中の人たちが手を差し伸べているんだと、意を強くしました。11月の国連報告が本当に楽しみです。なお、この一分半のスピーチに対して、すぐに日本政府は反論をしたそうです。五か月も拘留された運動家の短いスピーチ、無視・黙殺してもよさそうなのに。しかし、すぐに反論せざるをえないところまで日本政府を追い込んでいると、氏は分析されていました。
 そして辺野古や高江の現状についての話です。沖縄では、連日逮捕される者が続出し、1000人の武装機動隊が反対運動を行う市民を威圧する恐ろしい光景が繰り広げられているそうです。なぜそうした光景を、大手メディアは日々報道しないのかと、憤怒の炎が燃えますね。そして山城氏が威力業務妨害・公務執行妨害などの容疑で逮捕されたために、"共謀"したとして反対運動の参加者・関係者にまで逮捕される危険性が出てきました。弁護士の勧めもあり、氏は現場に近づかないようになります。涙ぐみながら「現場に行きたい」と呟く山城氏の姿が心に残ります。しかし、そのおかげで全国を回ってこうした講演を行い、沖縄の現況を報告し、支援を訴えることができるようになって良かったとおっしゃっていました。なお6月23日、沖縄慰霊の日には、海外特派員に記者クラブに招待されているとのことです。
 最後にこれからの展望です。高江ヘリパッドは手抜き工事のため、土砂崩れてサンゴ礁へ流れ込んでいる状態。また辺野古新基地も、海底が軟弱なため今の計画では建設は無理であろうという意見です。となると、大幅な計画変更が必要となり、それを強行するために政府は翁長知事・稲嶺市長の首をすげかえようとする可能性が強い。それを阻止するために、翁長知事を支え、命をかけて戦い、中央政府との全面対決も辞さないと述べられました。ただし、しなやかに、ゆるやかに、心折れない運動を心がけよう。そして仲間がいる限り私はめげない、とも。
 朴訥とした、しかし信念に裏付けられた、私心のない、力強くあたたかい語り口にはすっかり魅了されました。安倍でんでん首相の、薄っぺらく、攻撃的で、誠意の"せ"の字も感じられない語り口とのなんたる違い。そしてその不屈の闘いを支えているのは、仲間と自然と日々の暮らしなのだと感じました。

 15分休憩の後、元自衛隊レンジャー隊員、ベテランズ・フォー・ピース・ジャパン代表の井筒高雄氏の講演です。こちらもたいへん興味深く拝聴しました。日米新ガイドライン(2015.4)によって、極東における戦闘の主体は自衛隊であると決定されたと、氏は指摘されます。要するに、アメリカの国益に関わらない戦争は、多少のサポートはするものの「自衛隊がんばれ」というスタンスですね。また日本におけるパトリオット・ミサイルは、すべて在日米軍基地周辺に配備されており、私たちを守るためのものではないとも指摘されています。日本列島をまるごと極東アジアの前線基地とし、特に先島諸島に重点的に自衛隊を配備させ、戦闘の主体たらしめる。
 また日本政府は、社会保障費1800億円をカットし、オスプレイ12機を1500億円で購入する予定だという指摘にも驚きました。アメリカ軍需企業の影もほのかに見え隠れしますね。
 そしてもともと日本は戦争には向かない国であると、氏は言われました。南北に細長い、海に囲まれている、原発が多数存在すること、食料自給率が低く資源も少ないので長期戦ができない、といった理由です。よって戦争ではない手段で安全保障を追求すべきである。
 「安倍首相はバカだが、支持率には敏感。よって都議選では自民党・公明党・維新に投票しないことが大事。都民ファーストは自民党の分身」という指摘にも、快哉を覚えました。
 最後に、「めげない、やめない、委縮しないで行動を」というメッセージで講演は終了。

 ちょっとめげそうになっていた私ですが、お二人の素晴らしい講演、そして駆けつけた多くの聴衆のみなさんから、元気をもらいました。そして世界中の心ある人びとから、この国は注視されていることも知ることができました。山城さん曰く「政府の手口があまりにも汚い」、そんな政府に一日でも早く引導を渡しましょう。まずは都議選がその第一歩ですね。
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 追記です。『しんぶん 赤旗』(17.6.22)に次のような記事が掲載されていました。
 核兵器禁止条約の国連会議が開かれているニューヨークの国連本部会議場で20日までに、2羽の折り鶴が空席の日本政府代表席に置かれました。
 日本政府は同会議の第1会期(3月)にも参加せず、国際NGO(非政府組織)のメンバーが「あなたがここにいてくれたら」と書いた折り鶴をだれもいない代表席に置いていました。
 安倍上等兵や自民党は必死になって隠そうとし、メディアもそれに協力していますが、間違いなく劣化した日本の現状は世界から注視されています。
by sabasaba13 | 2017-06-24 06:46 | 鶏肋 | Comments(0)
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