近江編(34):修学院離宮(15.3)

 まずは下離宮の見学です。御幸門を通り抜けると右手奥に袖塀を持つ中門があります。石段をのぼると、後水尾院の御座所となった寿月観の御輿寄です。
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 御輿寄を左に見ながら進むと小さな苑池があり、四隅が反った朝鮮灯篭がいいアクセントになっています。
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 そして後水尾院行幸時の御座所となった建物、寿月観に着きました。なお「寿月観」の扁額は,後水尾上皇の宸筆だそうです。
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 寿月観の東にある小さな滝は、後ろの三角形の石を富士山に見立て、水の落ちる様が白糸を引いたように見えることから「白糸の滝」と呼ばれているとのこと。ここから鑓水が流れますが、緑にあふれたこのあたりの景観は格別です。櫓型灯篭もいい風情ですね。
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 東門を抜けると視界が開け、松並木の間を歩いて中離宮へと向かいます。この松並木は明治になって拡幅整備されたもので、かつては田んぼの畦道でした。なお綺麗に手入れされた松並木ですが、葉や枝を間引いて空間を開けて姿を整えつつも、あたかも人手を加えていないような柔らかな感じに仕上げる「御所透かし」という手法で手入れされているそうです。松並木の間からは,のどかな田園風景を眺めることができます。後水尾上皇は、離宮の造営の際に利用する域を最小限にとどめて他は耕作地として残し、耕作する農民の姿を自然景観に取り入れようとしたそうです。いい気なものですが。現在は農地を買い取り、地元の農家と賃貸契約を結んで耕作を依頼しているそうです。おお、京都市街も微かに見えてきました。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2017-09-24 08:54 | 近畿 | Comments(0)
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