近江編(76):近江今津(15.3)

 湖西線に乗って13分ほどで、最後の目的地・近江今津駅に着きました。小糠雨が降りはじめたのが残念ですが、雨中の散歩もまた乙なものと引かれ者の小唄。
 お目当てはヴォーリズ物件の数々です。駅から旧若狭街道を北上すると、東西に走る辻川通りと交わります。この通りに沿って三つのヴォーリズ設計の建物があるので「ヴォーリズ通り」と呼ばれるようになったそうです。まずは今津ヴォーリズ資料館ですが、まるで金庫のようなかっちりとした佇まい、やはりもとは銀行でした。
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 解説を転記します。
 ヴォーリズ建築事務所の設計によって、大正12年(1923)、旧百卅三銀行(現在の滋賀銀行)今津支店として建てられました。昭和53年に銀行が移転した後は、今津町が買い取り、町立図書館として平成13年まで利用されました。約10メートル四方、鉄筋コンクリート造りの2階建てで、外壁にレンガを二重に積んではめこんで構築してあります。様式は、同時期の銀行建築によくみられる西洋古典建築様式を継承した意匠でまとめられ、正面中央の玄関をはさむ2本の柱には略式のトスカナ式柱頭をつけ両側を壁柱としています。
 日本基督教団今津教会は、三角屋根と正面中央の鐘楼が印象的な、愛らしい建物です。
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 解説を転記します。
 ヴォーリズ建築事務所の設計によって、昭和9年(1934)、日本基督教団今津教会会堂として建てられました。大正11年(1922)、この会堂の裏手に今津基督教会館が建てられ、昭和7年にはそこに保育園が設けられました。
 会堂は切妻造で正面間口は約8メートル、建物の奥行きは約15メートルで、正面に玄関を突出させ、頂部には方形屋根の鐘塔があげられています。内部は中央に礼拝堂、玄関の両側に事務室と読書室を配し、講壇の両側にも教室があります。外壁に使われる白壁やレンガ、また内部のチューダー様式の装飾などは、ヴォーリズ建築の特徴といえる日本の景観に溶け込んだ西洋建築を造りあげています。

by sabasaba13 | 2018-04-02 06:56 | 近畿 | Comments(0)
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