仁淀川編(1):前口上(15.8)

 「あー打率がわるい!」 山ノ神の裂帛の叫びが、轟きわたります。彼女はいま、シューマンの『森の情景』を練習しているのですが、「寂しい花」に四苦八苦しているようです。それにしても打率とは…言い得て妙ですね。ピアノは打楽器ですから。

 閑話休題。

 以前、大久野島に泊まったときに、テレビで四国を流れる清流、仁淀川のことを紹介していました。四万十川は行ったことがあるのですが、この川は初耳です。「仁淀ブルー」と呼ばれる、それはそれは美しい青色に眼を奪われました。行ってみたいものだと思いながら、幾年月。2015年の夏に一念発起して、山ノ神と一緒に訪れることにしました。
 宿ですが、インターネットで調べたところ、観光地化があまり進んでいないようで、付近にはあまりないようです。仁淀川水系のなかでもっともきれいだという安居渓谷にある「宝来荘」のバンガローに五泊することにしました。そして中津渓谷や岩屋川渓谷に足を伸ばせる森の「井上旅館浪漫亭」に五泊という旅程にしました。高知龍馬空港への往復飛行機を予約して準備は万端。もっていくものは、インスタントのドリップ式コーヒー、帽子、サングラス、トレッキングシューズ、水着、杖、酒、煙草、地図、お金、予備の眼鏡。なお「宝来荘」のバンガローにはテレビがないとのことなので、非常用の小さなラジオを持っていくことにしました。今回の旅はがしがし歩き回らずに、のんびり過ごすつもりなので、本はたくさん持っていきましょう。ピックアップしたのが、『朝鮮戦争(上・下)』(デイヴィッド・ハルバースタム 文春文庫)、『嗤う日本の「ナショナリズム」』(北田暁大 NHKブックス)、『昭和天皇の戦後日本』(豊下楢彦 岩波書店)、『新自由主義 その歴史的展開と現在』(デヴィッド・ハーヴェイ 作品社)、『反貧困』(湯浅誠 岩波新書)、『イラクとアメリカ』(酒井啓子 岩波新書)、『能力主義と企業社会』(熊沢誠 岩波新書)の七冊です。清流を眺めて泳いで、部屋でビールを飲んで昼寝をして、本を読んでまた昼寝。うわお、社会復帰できなくなりそうな日々ですね。ほんとにそうなるかどうかは、わかりませんが。
by sabasaba13 | 2018-05-23 06:27 | 四国 | Comments(0)
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