仁淀川編(23):長者の棚田(15.8)

 神岡酒店で栗焼酎「ダバダ火振」を買い、店番をしていたご老人と四方山話に花を咲かせました。「これからどこ行くの?」と訊かれたので、「長者の棚田まで歩いてきます」と答えると、「車で送ってあげるよ」という嬉しいオファー。有難い、ご厚意に甘えましょう。お酒を旅館の部屋に置きに行き、女将にこの話をすると、彼は「げんぞうさん」だと教えてくれました。神岡酒店に戻って、げんぞうさんの運転するワゴン車に乗せてもらい、十分ほどで長者の棚田に着きました。
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 ブンダバー! 精魂込めて積み上げた精緻な石垣が、天にも届けと連なっています。集落の人びとが協力しながら川や山から石を運び、生きるため、子孫のため、未来のため、何百年をかけてつくりあげた棚田。神々しさすら感じます。同じ人間が作ったものでも、労働者の命を削り、核廃棄物を半永久的に未来と子孫に押しつけ、事故がおきたら地域を壊滅させる核発電所との何たる違いでしょう。素晴らしい景観を楽しみながらしばし散策。長者の大銀杏もみごとな巨木ですね。
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 それでは歩いて宿へと戻りましょう。集落の近くにあった電線に、猛禽類がとまっているのを発見。鳥類に関する知識がまったくないのでよくわかりませんが、鷹なのでしょうか。あるいは鷲? ブヨよりはるかに好ましいことには変わりませんが。長者川に沿った車道を、清流や石垣の棚田を眺めながら一時間強歩くと、森に着きました。
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 17:00に鳴り響いたチャイムは「あかとんぼ」。神岡酒店に寄ってげんぞうさんに丁重にお礼を言い、宿へと戻りました。風呂に入り、川を眺めながら物干し台でビールを飲んでいると夕食の時間です。一階が飲食のお店となっており、そこでの食事となります。地元産の食材を中心とした美味しい料理に舌鼓を打ちました。部屋に戻って、さきほど購入した栗焼酎「ダバダ火振」をちびりちびりと飲みながらテレビをぼーっとみながら見ました。
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 すると高知市で開催されたよさこい祭りの様子を放送していました。人様のリビドーの捌け口に半畳を入れるつもりはありませんが、みんなで同じようなユニフォームを着て一糸乱れぬ群舞を踊ることが、そんなに楽しいのでしょうか。あるいはそれを見物することも。
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 テレビを消して、ベッドに寝ころび読書に専心。息抜きに物干し台に出て夜の川を眺めながら珈琲を飲み紫煙をくゆらし、また読書。栗焼酎「ダバダ火振」を飲んで就寝。ほんとに良い暮らしだなあ、社会復帰をしたくないなあ。

 追記です。「ダバダ火振」という意味深な名称の由来が、いまインターネットで調べてわかりました。四万十川流域の山里では、人の集まる場所を「駄場(ダバ)」と呼び、また同地域では古来より夏の闇夜にたいまつの火を振り、鮎を定置網に追い込む「火振り漁」があるそうです。なるほど。でもなぜこの二つを組み合わせたのかはいまだに不明です。ご教示を乞う。

 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2018-08-05 22:00 | 四国 | Comments(0)
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