仁淀川編(27):佐川(15.8)

 もう一つ心に残った展示は、牧野富太郎が18~19歳の頃、心中に抱えていた思いを書き付けた「赭鞭一撻(しゃべんいったつ)」です。十五条あるのですが、その中のひとつが印象的でした。市井の一読書家として銘肝します。
14、書を家とせずして友とすべし
  (書物に書いてあることが全てを鵜呑みにしてはいけない。誤りがある場合は正すべきであり、書物を先生ではなく友人とすべきである)
 なおこちらには、武家屋敷の雰囲気を感じさせる江戸時代の庭園、九如園がありました。
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 旧浜口家住宅は古い商家で、現在は観光案内所として利用されています。解説板を転記します。
 浜口家住宅は幕末期には酒造商家の一つであり、周辺に酒蔵を構える大きな商家であった。近代期には当主の浜口駒次郎大阪市議会議員を務め、海運業にも転じて第1次世界大戦の海運業活況に乗じて、「舟成金」といわれるくらいの豪商に上り詰め、全国に名をとどろかせた。
 太い柱と梁、竹皮を編んだ網代壁、趣きのある蹲などが印象的でした。また解説によると、外壁の一部は伝統的意匠である土佐松煙(しょうえん)漆喰塗りの黒壁。また高知県は台風常襲地帯なので、外壁を守るための水切り瓦をしつらえ、雨漏りを防ぐために桟瓦の重ねを風下側に設置されているそうです(左瓦)。
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 それではここで一休みしましょう。牛乳とブルーベリー・シュークリームとプリンをいただき、名産の茶と牧野富太郎ペーパーウェイトを購入しました。彼はひらがなの「の」を渦巻きのようにぐるぐる巻いて、「巻きの→牧野」と読ませる印を使用していたそうで、それを模したペーパーウェイトです。すると係の女性、われわれが散財したことに感激して「富太郎くんストラップ」を二つくれました。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2018-08-13 17:31 | 四国 | Comments(0)
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