函館・札幌編(18):函館(15.9)

 市電に乗って十字街電停で降り、散策をしながら函館山ロープウェイへと向かいました。昨日も訪れたのですが、ここから津軽海峡方面に向かう長さ約200mの通りには、1921(大正10)年の大火後に建てられた鉄筋コンクリートやレンガ造りなどの耐火建築が、今も多く残されています。往時はモダンなカフェや商店などで賑わった繁華街だそうで、二十間(約36m)ある道幅は、防火線の役割も担っていたとのことです。
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 まずは何度見ても愛くるしい操車塔を、至近距離から撮影。解説板があることに気づいたので、後学のために転記しておきます。
 このキノコのような建物は操車塔といい、昭和14年(1939)に、交差点での電車信号現示とポイントの切り替えを手動による遠隔操作をするために建てられたもので、現存する路面電車の操車塔では国内最古といわれております。この操車塔は、高さ5.4m、制御室直径1.9mあります。
 昭和44年(1969)当時には市内に6基ありましたが、施設の自動化などにより順次姿を消し、この操車塔だけが、平成7年(1995)6月まで電車信号機の制御装置が置かれ、使用されておりました。当時交差点向側に建てられておりましたが、道路改良にともない平成7年9月、現在地に移設し、形態保存しております。
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 宝来パン本店は、老舗のパン屋さんだそうです。壁面を飾る小粋な装飾が素敵でした。
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 小野寺住設ビルは古武士のような風貌ですが、屋上手すりの意匠やピラスターの如き装飾が見どころ。
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 そして圧巻は、「美容室あみん」。"AMIN"という看板の一部が剥落して"AI"となっているのがご愛敬ですが、よく見ると同じ意匠の入口が二つ並んでいます。そう、ここはかつて銭湯「衛生湯」だったそうです。昨日拝見した大正湯がキング、旧大黒湯がジャックだとしたらこちらはクイーン。貴婦人然とした佇まいに思わず見惚れてしまいました。
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by sabasaba13 | 2018-12-28 06:54 | 北海道 | Comments(0)
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