言葉の花綵193

 犀の角のようにただ独り歩め。(『スッタニパータ』)

 私たちが、普段の暮らしのなかで忘れてきた、見ないようにしてきた大事なものを、精神障害という病気を通して、教えてくれている人たちなんだね。あの人たちは嘘を言ったりとか無理をしたりとか、人と競ったりとか、自分以外のものになろうとしたときに、病気というスイッチがちゃんとはいる人たちだよね。(『浦河ペテルの歩みから』)

 われわれは絶壁が見えないようにするために、何か目をさえぎるものを前方においた後、安心して絶壁のほうへ走っている。(ブレーズ・パスカル 『パンセ』)

 国家が毀れても社会は存続する。(鷲田清一)

 命に近い仕事ほどお金は動かない。(周防大島の農業者)

 権力者の言葉のインチキに針を刺す。これこそ詩人のやるべきことです。(アーサー・ビナード)

 世界の映像を裏返さないかぎり、永久に現実を裏返すことはできない。イメージから先に変われ! (谷川雁)

 こんなものでも何かの役に立つかもしれない。(レヴィ=ストロース)

 自分の感受性くらい
 自分で守れ
 ばかものよ (茨木のり子)

 いつからか
 国土というものに疑いを持ったとき
 私の祖国と呼べるものは
 日本語だと思い知りました (石垣りん)

 この世にはお客様として来たのだから
 まずいものもおいしいと言って食べなくちゃ (某女子学生)

 詩はいつまでも根気よく待たねばならぬのだ。人は一生かかって、しかもできれば七十年あるいは八十年かかって、まず蜂のように蜜と意味を集めねばならぬ。そうしてやっと最後に、おそらくわずか十行の立派な詩が書けるだろう。詩は人の考えるように感情ではない。詩がもし感情だったら、年少にしてすでにあり余るほど持っていなければならぬ。詩はほんとうは経験なのだ。(リルケ 『マルテの手記』)
by sabasaba13 | 2019-07-18 06:17 | 言葉の花綵 | Comments(0)
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