余談part2ですが、私が見た大河ドラマは唯一つ、司馬遼太郎原作の『花神』だけです(1977)。いやあこれは面白かった、今でも時々、
林光のテーマ音楽が耳朶の中で鳴り響きます。ただ困ったことに、あまりにインパクトが強すぎて、歴史上の人物像に該当の役者のイメージがだぶってしまいしばらく脳裡から離れませんでした。
大村益次郎=中村梅之助、
高杉晋作=中村雅俊、
伊藤博文=尾藤イサオ、
山県有朋=西田敏之、井上馨=東野英心… 中でも周布政之助→田村高廣→「たあかすぎい」というだみ声、という連鎖は強力でした。と同時に、少数の有能な人物が紆余曲折を経ながら歴史をつくっていくという、平板で単純な国家権力=NHK史観に絡め取られるのもよくないと思い、その後、二度と見ることはありませんでした。
国家権力に抗った人びとを主人公にしていただければ、見るかもしれませんが。
幸徳秋水とか、
管野すがとか、
田中正造とか、
金子文子とか、
布施辰治とか、
鶴彬とかね。
閑話休題。駅構内にはティッチー、ラプト、サウタンという恐竜の
顔はめ看板がありました。ホームのベンチには恐竜が座っていましたが、なぜ白衣を着ているのだろう?

北陸本線金沢行きに乗り込んで、加賀温泉をめざします。車窓からは、となりの線路を疾走する長い長い貨物列車が見えましたが、西日本でよく見かける光景のような気がします。午前七時半ごろに加賀温泉駅に到着、駅前に出ると黄金色に輝く巨大な観音像が屹立していました。何なのだろう?

気になっていま調べてみると、「ウィキペディア」に載っていました。この観音像は1980年代後半のバブル期に作られた仏教的テーマパーク「ユートピア加賀の郷」のもので、運営会社「関西土地建物」の倒産によって施設は休業しました。2009年に大阪市内の会社と織田無道が宗教法人・豊星寺として経営に参画し、ホテル業を再開していたが従業員への給与不払い問題等を起こし廃業したそうです。
廃墟マニアとしては訪れるべきだったかな、現状が気になるところです。