福井・富山編(27):今庄(16.3)

 武生駅のホームには、伝統的工芸品・越前打刃物でつくった大きな龍が展示されていました。凄いなあ、匠の技ですね。北陸本線敦賀行きの普通列車に乗ること十五分ほどで今庄に着きました。
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 お目当ては、「文化遺産オンライン」で知った旧昭和会館(今庄地区公民館今庄分館)です。駅から少し歩くとすぐに見つかりました。縦長の大きな窓と、共振するような車寄せのアーチと時計を囲むアーチが印象的な、洒落た建築です。竣工は1931(昭和6)年、ということは満州事変が起きた年ですね。財産のほとんどを社会教育や福祉事業に費やしたといわれる今庄の篤志家・田中和吉氏の寄付で建てられたそうです。
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 古い旅籠のような「若狭屋」と、風雨に耐えて毅然と屹立する火の見櫓を撮影して、それでは鯖江へと向かいましょう。
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 しかし話はこれで終わりません。この一文を書くために、インターネットで今庄のことを調べていたら、南越前町今庄観光協会というサイトに出会いました。それによると、ここ今庄は、初代福井藩主結城秀康が整備させた、北国街道の重要な宿場だったのですね。今も昔風の家屋が軒を連ねる町並みは、その長さや道の形や短冊型の屋敷割がほとんど変わっていないこともあって、当時の宿場の面影をとどめているとのことです。ちなみに北国街道(東近江路)は、今庄から江越国境の栃ノ木峠を越えて、湖北・湖東を縦断し鳥居本宿(彦根市鳥居本町)の北方で中山道に合流する南北路として発達した道です。江戸参勤には最短路で、越前各藩は必ずといってよいほど、ここ今庄宿を利用しました。江戸時代中期以降は、商用や京への寺参り、伊勢参り等の旅人の宿泊が急増し、宿は繁忙を極めたそうです。ああ、もっと時間をとってゆっくり見たかった。
 もう一つの見ものが登録有形文化財に指定されている「今庄~敦賀間旧北陸線トンネル群」です。JR北陸本線旧線の敦賀駅―今庄駅は難所でした。トンネルが12カ所、海抜8メートルの敦賀駅から同265メートルの山中信号場まで上る「1000分の25」の急勾配が続き、それを越すため後押し用の補助機関車が必要で、今庄・敦賀の両駅が連結の基地でした。しかし、北陸トンネル開通によって、この難区間は廃止となります。廃線跡は、古いれんが造りのトンネル群が残る生活道路となりました。このトンネルを愛でながら、歩いたり、自転車で走ったりできるのですね。(車はやめてくださいね) ああ、アドレナリンが分泌する。ブロンプトンをお供に必ずや再訪しますので、待っていてくださいね、樫曲トンネルさん(1893年竣工)。
by sabasaba13 | 2019-10-11 06:28 | 中部 | Comments(0)
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