福井・富山編(29):鯖江(16.3)

 それではサバエドッグをいただきに参りましょう。途中にあった「ヨコヤマ写真館」の建物は古いような、新しいような… でもドアの上の装飾が手づくり感にあふれた洒落たものでした。
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 下見板張が印象的な旧鯖江地方織物検査所は、1935(昭和10)年に竣工された人絹織物の検反所として建設された建物です。
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 こちらにも昔懐かしいコンクリート製のゴミ箱がありましたが、現役のようです。これなら烏のみなさんもそう簡単に食べ物をあされないでしょう。その近くには「JAPAN PRIDE 誇りを胸に」という自衛官募集のポスターが貼ってありました。
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 自衛隊を、宗教・イデオロギー・民族一切抜きにして、災害や事故によって危機に直面している人々を救うために、日本国内そして世界のどこへでもすぐに出動する国営国際救助隊「雷鳥」に全面改組すべきだという持論は変わっておりません。詳しくは拙ブログをご笑覧ください。以前に防衛庁(現防衛省)を訪れた時、「軍需産業を潤しキックバックをもらうために血税を湯水のように蕩尽し続けている利権の巣窟」と書きましたが、この不気味な組織の問題点を究明する本をフォローし続けています。最近読んだのが『経済的徴兵制』(布施祐仁 集英社新書0811)。安倍政権が強引な手法で安保関連法案を成立させ、集団的自衛権の行使に付随する「徴兵制」導入への不安が高まるなか、現憲法に反する強制的な兵役制度ではなく、グローバルに拡がる経済格差の余波を受けた貧しい若者たちを軍隊(自衛隊)に志願させる「志願制」、すなわち「経済的徴兵制」が水面下で進行しています。自衛隊における経済的徴兵の歴史と現状の詳説に加え、海外派遣に伴う本当のリスクを明らかにし、貧困にあえぐ若者がカネと引き換えに戦場に立たされる、この構造的な"悪制"の裏側に迫ったのが本書です。『自衛隊の闇組織 秘密情報部隊「別班」の正体』(石井暁 講談社現代新書2496)も面白かったですね。ロシア、中国、韓国、東欧などにダミーの民間会社をつくり、身分を偽装した自衛官を送り込んでスパイ活動をさせている、陸上自衛隊の非公然秘密情報部隊「別班」の実体に迫ります。首相や防衛相がその存在さえ知らされておらず、文民統制(シビリアンコントロール)がまったく効いていない「別班」。まるで関東軍が蘇ったようです。同書より、気になった文章をいくつか引用します。
 偶然の再会の15年ほど前、ある小規模な宴席で、この元将官と隣り合わせになった。当時、彼はまだ佐官級の幹部だった。二人の話題は東欧革命からソ連崩壊、さらには総選挙での日本共産党の議席増、躍進についてと展開していった。酔った勢いもあり、自衛隊幹部を困らせるような微妙な質問を私は発した。
 「日本共産党がどんな形にしろ、政権を取ったら自衛隊はどうしますか」
 すると、元将官はかっと眼を見開いて険しい表情を見せると、こう言い放ったのだ。
 「躊躇なくクーデターを起こします」
 酔った席での冗談とは到底受け取れなかった。二人だけの会話だったため、宴席の雰囲気には変化はなかったが、その後もこの会話を忘れることはなかった。(p.71)

 別班の海外活動について、次のように強く批判する自衛隊幹部さえいた。
 「総理大臣、防衛大臣も知らないなんて、シビリアンコントロール上、大問題だ。対外ヒューミントはどこの国でもやっており、絶対必要だ。しかし、アメリカのDIA(国防情報局)はもちろん、シビリアンコントロールが徹底している。中国の総参謀部(現・連合参謀部)情報部やロシアのGRU(参謀本部情報総局)でさえ、大枠で政治のコントロールが利いている。だからこそ、民主主義国家・日本にシビリアンコントロール下にない非公の秘密情報組織が存在することは許されない。独断で海外展開しているなんて。別班を関東軍にしてはいけない」(p.75)

 何しろ別班は、米軍が自衛隊の情報工作員を養成する目的で始まった、軍事情報特別訓練(MIST)を母体に創設された秘密組織だ。1975年、日本共産党は別班長の内島が週5日、米軍キャンプ座間に通勤していることを確認している。その誕生から、米軍が別班を育成してきたとも言えるのだ。未だにその関係が継続していても不思議ではない。(p.112~3)

by sabasaba13 | 2019-10-13 10:00 | 中部 | Comments(0)
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