福井・富山編(30):鯖江(16.3)

 また、最近読んだ、自衛隊の問題点に対する発言をいくつか紹介します。
 服従心を、もっとも短期間にそして徹底的に作り上げる場所は、いうまでもなく軍隊であった。
 軍隊こそ、若い青年たちを処罰という暴力の恐怖、昇進という利欲の誘惑にさらして、卑下と屈従と要領の怪物に仕上げる場所である。(南博)


「日大アメフト部に見る日本の軍隊的構造」 斎藤美奈子

 しかし、はたしてそれだけだったのか。危険タックルを犯した選手に同情が集まったのは、この種の組織(企業でも官庁でも学校でも)が日本中にあり、命令に逆らえない彼のような立場の人がじつは大勢いたからではないか。
「潰せ」と命じられ、追い詰められて特攻に赴く選手。上の意をくんで特攻を命じるコーチ。パワハラの限りを尽くしながら、自らは手を汚さずに君臨する監督。これって旧日本軍と同じなのよね。(『DAYS JAPAN』 Vol.15 No.7 2018 7月 p.46)


「国民の生命を考えるなら国防の前に災害救助でしょ」 斎藤美奈子

 6月28日から7月8日ごろまで西日本一帯を襲った豪雨災害は、15府県にわたる広い地域に大きな爪跡を残した。8月6日現在、死者219人、行方不明者11人。避難者も3600人に及ぶ。
 こうした大災害のたびに思うんだけど、日本政府の危機管理意識っておかしくありません? 冷戦時代はソ連の、その後は北朝鮮の攻撃やテロの脅威を理由に、日本の防衛費は上がり続けてきた。しかし日本列島では、地震、台風、豪雨、豪雪、火山噴火…外からの攻撃よりも自然災害に遭遇する確率のほうがはるかに高い。しかるに2018年度の防衛費の予算総額は約5兆円、消防庁の総予算額は154億円。国民の生命を本気で守る気があるんですかね。
 その象徴的な例が避難所だ。日本の避難所といえば学校の体育館や公民館。冷暖房設備はなく、仕切りもない空間で雑魚寝。それが嫌で非難を渋る人、車中泊を選ぶ人も少なくない。2年前の熊本地震で災害関連死と認定された人は200人弱。地震で直接無くなった50人の実に4倍だ。
 しかし、世界中がこうだと思ったら大間違い。現在、多くの国が難民や自然災害の避難民に提供しているのは緊急用のテントである。日本と同じ地震国のイタリアは避難所先進国。16年のイタリア中部地震の際にも、仮設トイレがまず届き、空調を備えた6人用のテントと人数分のベッドが48時間以内に設置され、巨大なキッチンカーが温かい食事を提供した。
 こうした避難所の設置基準になっているのが、国際的な「スフィア基準」だ。90年代に人道的な見地から紛争地帯の難民救済のためにまとめられた基準が、後に災害非難民へも適用された。
 国際赤十字が発行する「スフィア・ハンドブック」は、給水、衛生、食糧、栄養、シェルター、居留地などの分野別に、最低基準を示している。それによると、トイレは20人に1つ。女性用トイレの個室数は男性用の3倍。シェルターは世帯ごとに覆いのある生活空間を確保し、1人あたりのフロア面積は最低3・5平方メートル(畳2畳分です)。下着などの衣料品は1人最低2セットずつ支給。体育館に人を詰め込む日本の現状とのなんという違い!
 日本ではアルピニストの野口健氏が熊本地震の際にテント村をつくるなどの活動をしているが、それは例外。日本ではなぜこうした対応が進まないのか。災害救助法に基づく災害救助基準は、避難所を「原則として、学校、公民館等既存の建物を利用すること」としている。ネックはこれ?
 加えてもうひとつ、由々しき基準を見つけてしまった。避難所設置の支出は「一人一日三百二十円以内とすること」。安すぎじゃ。しかも金勘定が先かいな。だったらやはり防衛費を減らしていただきましょうよ。ちなみにコールマン社の4~6人用テントは1張2万5000~3万円である。100億円のオスプレイ1機分で、30万~40万張も買えるのだ。どっちが税金の有効な使い道か、考えなくてもわかるじゃないの。(『DAYS JAPAN』 Vol.15 No.9 2018 9月 p.47)


「新たな戦争態勢への移行か」 成澤宗男

 この種の「島嶼防衛」は、冷戦終結で「敵」の旧ソ連が消滅したため、陸自が苦し紛れに既得権維持目的で考案した「脅威話」であることは、すでに多くの識者が指摘している。こんな調子で今後軍拡を続けていけば、「抑止」どころか中国との無用な緊張をさらに高めるだけだ。(『週刊金曜日』 №1174 18.3.2 p.45)


「米国人から見た属国・日本の無知」 リラン・バクレー

 防衛が心配なら、「思いやり予算」の全額を投じ、自衛隊から武器をなくして、海外に災害があったら真っ先に駆け付ける救援組織に変えたらどうでしょう。そんなありがたい国を、どこが攻撃しますか。(『週刊金曜日』 №1192 18.7.13 p.19)

by sabasaba13 | 2019-10-14 08:56 | 中部 | Comments(0)
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