福井・富山編(31):鯖江(16.3)

 そして"かたい信用×やわらかいお肉"がモットーの「ミート&デリカ ささき」にとうちゃこ。お目当ては、ご当地B級グルメの「サバエドッグ」です。肉巻きおにぎりをフライにしてソースをたっぷりつけた一品で、人呼んで"歩きながら食べられるソースかつ丼"。コテコテのB級グルメでんがな。カプリ うーん、この安っぽい味が郷愁をそそります。メンチカツもなかなか美味でした。
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 誠照寺(じょうしょうじ)は浄土真宗越前三門徒派の中心寺院で、鯖江町形成の基となったとされます。1779(安永8)年に建てられたという四足門を埋めつくす木彫が凄い。今にも天に昇りそうな龍の躍動感に圧倒されます。匠の技ですね。
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 そしてお目当てpart2の恵美写真館へ。基本は和風ですが、玄関ポーチの開口部や軒廻りの装飾等に洋風のテイストを取り入れた和洋折衷建築です。ドア下部の意匠、上部のキーストーン付き半円アーチの中にしつらえられた鏝絵などに心惹かれます。
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 表門も、アーチ形の屋根がユニークですね。竣工はともに1905(明治38)です。
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 それでは福井へと戻りましょう。鯖江駅に向かう途中にあったのが、鯖江藩家老植田家長屋門です。「長屋門」とは、敷地の周囲をめぐらす長屋の一部を門としたものですね。白漆喰壁に黒塗りの柱や下見板が重厚な雰囲気を醸し、鯖江藩5万石の家老職にふさわしい風格を感じます。
 鯖江駅の近くには、舘ひろしと柴田恭兵が写っている「さらば あぶない刑事」のポスターが貼ってあり、「福井県民も飲酒運転とおさらばしようぜ! 福井県警察」と記されていました。福井県警にはきっと常識人が多いのでしょうね。「草食系より大阪府警。」「たれ込み歓迎!」という超弩級の力業を見せる大阪府警とはえらい違いです。
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 追記です。最近読んだ『地域をまわって考えたこと』(東京書籍)のなかで、小熊英二氏が鯖江のことにふれていたので紹介します。
 福井県鯖江市。日本のメガネフレームの九割を供給し、都市からのUターンやIターンで人口が増加している。そこがどんな土地なのか、どんな人が住んでいるのか。実際に訪れてみた。
 最初に思ったのは「ダークスーツ姿が目につかない」ことだ。また製造業は多いが、大規模な工場がなく、有名企業の看板も目立たない。市の北西部に電子機器の工業団地があるが、企業城下町などに比べればささやかなものだ。
 スーツ姿と大工場。つまり「会社員と製造業」、いわば「働くニッポン」の象徴だ。「日本人」といえばスーツ姿のビジネスマン、「日本」といえばハイテク工場というイメージは海外で根強い。
 これは外国ばかりではない。日本の人々自身も、スーツ姿の会社員になるか、大工場で働くことをめざす。だから多くの地方も、大手企業の誘致に懸命だ。昭和の時代に作られたこのステレオタイプは、いまだ強固なのだ。
 だが鯖江には、スーツ姿も大工場も目立たない。だが人口は増えている。それはなぜだろうか。
 じつは鯖江には、中小の製造業がひしめいている。その数は、メガネが約500、繊維が約100、漆器が約200。その大部分は中小規模で、田園風景のなかにとけ込んでいる。外見は日本家屋でありながら、中はリノベーションしてある例も少なくない。
 この「中小企業の集積」という形態に、鯖江の特徴がある。2004年から市長を務めてきた牧野百男氏によると、鯖江は「福井県で社長の数が一番」だ。これら中小企業が、協力と競争で「内在的イノベーション」を創りだしているという。中小企業の集積で革新的な気風を生み出しているところから、「日本のシリコンバレー」という異名もあるそうだ。(p.26~7)

by sabasaba13 | 2019-10-15 06:25 | 中部 | Comments(0)
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