言葉の花綵198

 残酷かつ無慈悲な敵軍に直面して、われわれの選ぶべき道は、勇敢な抵抗のみであり、しからずんばもっとも卑しい屈従しかない。ゆえにわれわれは、勝利かそれとも死か、と決意せねばならない。(ワシントン)

 動物にさまざまの種類があるように、人間にもさまざまの異なった種類がある。そして、人と人とのおたがいの関係は、異なった種類の動物と動物との、おたがいの関係によくにている。何と多くの人間が、罪のないものたちの血と命とで生きていることか! あるものは虎のように、いつも凶暴で、残忍だ。他のあるものは獅子のように、いくらか寛大らしい外観をもっている。またあるものは熊のように、粗野で貪欲だ。また狼のように、強奪をこととし、無慈悲きわまるものもあれば、狐のように、知恵才覚で生活し、ひとを欺すのを商売にしているものもある。(ラ・ロシュフコー)

 支配したり服従したりしないで、それでいて、何ものかであり得る人間だけが、ほんとに幸福であり、偉大なのだ。(ゲーテ)

 女性に完全な平等を許すことは、文明を見わける一ばん確かな目じるしであろう。そのことは人類の知力と、その幸福の可能性を二倍にすることであろう。(スタンダール)

 適当な秩序のある社会では、労働する意志のあるすべての人々には、次のことが確保されねばならぬ。第一、恥しくない適切な仕事。第二、健康にして美しい住宅。第三、心身の休息のための十分な余暇。…みなさんに考えていただきたいのだが、一方においてこの要求をみたすことが可能であると同じく、他方、現在の金権制度の下ではこれをみたすことは不可能なのだ。この金権制度はわれわれがこの要求を満足させようとするあらゆるまじめな努力を禁止する。(ウィリアム・モリス)

 つねに行為の動機のみを重んじて、帰着する結果を思うな。報酬への期待を行為のバネとする人々の一人となるな。(ベートーヴェン)

 孔子は申しました。「衆人が好んでいても必ず調べてみる。衆人が憎んでいても必ず調べてみる」と。(王安石)

 イタリアの野に草を食う野獣でさえも、穴と寝所とをもっていて、それぞれ自分の休み場としているのに、イタリアのために戦って死ぬ人びとは、空気と光のほか何ものも与えられず、妻や子供と家もなく落着く先もなくさまよい、しかも全権をにぎる将軍は戦場において、兵士に墳墓と神殿のために敵と戦えと励ましてウソをついている。実はこれほど多くのローマ人が、一人として父の祭壇も先祖の宗廟ももたず、他人の贅沢と富のために戦ってたおれ、世界の覇者と称せられながら、自分自身の土地としては土くれ一つないのだ。(グラックス兄弟)
by sabasaba13 | 2019-11-07 06:18 | 言葉の花綵 | Comments(0)
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