福井・富山編(56):高岡(16.3)

 それでは土蔵造りの町並み、山町筋へ参りましょう。途中に鋳物でつくられた「坂下町通り」という道標がありました。そして鋳物とならぶ高岡名物「大人のラブおもちゃ」の貼り紙が…そんなことはありませんね、ごめんなさい。
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 山町筋に着くと、解説と地図があったので転記します。
 山町筋は、慶長14年(1609)に加賀藩第二代藩主の前田利長が、高岡に隠居城と城下町を建造したときに北陸道に面する商人の町として開かれました。
 その後、明治に入り、明治33年(1900)に高岡の大火がおき、市街地の約6割が焼失しましたが、その前年(1899)に施行された「富山県建築制限規則」により、山町筋などの繁華街については防火構造の建造物とすることが義務付けられていたため、当時の防火建築物である土蔵造りの建造物が建築されました。
 山町筋の土蔵造りは、二階建、切妻造り、平入、瓦葺の町屋で、黒瓦葺きの屋根と大きな箱棟、黒漆喰塗りの外観、二階窓に付けられた土扉など、重厚な外観をもつ反面、柱頭をアカンサスの葉などで装飾した鋳物の鉄柱、隣地境のレンガの防火壁など、華麗な装飾の中に洋風の意匠を取り入れていることが外観の特徴となっています。内部は、外観の重厚さとは対照的に繊細な数寄屋風の仕上げとし、主屋と土蔵の間にある中庭は建物と見事に調和し、市街地にあって緑の多い静謐な空間をつくりだしています。
 補足しますと、ここを中心に住まいする10町で高岡御車山祭を奉じていることから山町と呼ばれるそうです。
 ぶらぶら歩いていくと、土蔵造りのまち資料館(旧室崎家住宅)、菅野家住宅、筏井家住宅、赤レンガの富山銀行といった超弩級の重厚な建物が目白押し。神々が宿り給う細部にも目を凝らしながら歩いていると、時が経つのも忘れてしまいます。
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 井波屋仏壇店は、入口上部に並んだ半円アーチが印象的な物件ですが、これから訪れる木彫で有名な井波出身の方が始めたお店なのでしょうか。
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 途中に"童謡「夕日」のふるさと高岡"というプレートがありましたが、♪ぎんぎんぎらぎら夕日がしずむ♪を作曲したのが高岡市舟木町出身の室崎琴月だそうです。ちなみに作詞は広島県福山市出身の葛原しげる。
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 忘れられない建物がまだたくさんあります。本日の八枚です。
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by sabasaba13 | 2019-11-14 06:18 | 中部 | Comments(0)
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