信州編(2):軽井沢(16.8)

 練馬駅までブロンプトンで走り、折りたたんで輪行袋に入れて、ゴロゴロと駅構内を転がします。実は折りたたむと下部になるキャリア(荷台)に小さい車輪が四つついているので、転がせるのですね。いやはやよく考えられています。西武池袋線で池袋まで行き、JR埼京線に乗り換えて大宮へ、そして新幹線に乗ってまずは軽井沢に着きました。軽井沢駅構内にあった観光案内所で地図やパンフレットをいただいてざっくり読むと、近衛文麿らが過ごした洋風別荘が「市村記念館」として公開されていることを知りました。これはぜひ見たい、急遽、旅程に組み込むことにしました。
 それでは組み立てますか。輪行袋から出して、サドルを上げ、片方のペダルを元に戻し、折れ曲がっている部分二か所を元に戻して指で螺子を締めるだけで完成。ほんとうに一分もかかりません。ほんとうに優れ物です。駅前でブロンプトンを組み立てて一服していると、目の前に廃線となった信越本線の線路が残されていることに気づきました。1997(平成9)年、北陸新幹線の開業にともない、碓氷峠を越える横川駅-軽井沢駅間が廃止されましたが、その名残でしょう。新幹線の恩恵はたしかに蒙っていますが、のんびりと車窓を流れる風景を眺められる普通列車も運行していただきたいものです。それが"大人の国"ってもんじゃないですかね。
 さて、まず向かうは旧軽井沢です。清新な空気をすいながら軽井沢本通りを快走、いやあほんとにこやつはよく走ります。ういやつじゃ。♪みどりの風もさわやかに にぎるハンドル心も軽く サイクリングサイクリング ヤッホーヤッホー♪と、誰も知らないような歌をくちずさみながら十数分ペダルをこぐと旧軽にとうちゃこ。お目当ては軽井沢ユニオン・チャーチという教会です。何とも武骨で朴訥とした建物ですが、壁面を埋め尽くす窓が軽やかな印象をかもしだしています。軽井澤銀座商店会のHPから引用します。
 明治30年(1897年)軽井沢合同基督教会として、ユニオンチャーチが設立されました。国籍も教派も問わず誰もが集える教会として作られましたが当時は外国人のために作られたもので日本人の利用は有りませんでした。現在でも夏になると大勢の外国人の方が集っています。今でも設立当時の思想を守り続けている教会です。教会そのものは夏期以外は閉まっていますが、日本語学校は通年開校されています。有名な建築家ウイリアム・ボーリスの設計で改築されています。
 そう、実は私の大好きな建築家、ウィリアム・メレル・ヴォーリズが設計した教会です。上手く言えないのですが、住んでみたくなるような落ち着いた雰囲気の洗練された佇まいに魅かれます。以前に近江八幡でヴォーリズ建築めぐりをしたことが、懐かしく思い起こされます。すぐ隣にあるのが、上皇夫妻が出会ったというテニスコートですね。
 そうそう、本を忘れたので買わなければ。幸い、古本屋があったので入店し、しばし物色。何気なく選んだのがH・G・ウェルズの『透明人間』です。申し遅れましたが、ブロンプトンにはスタンドがなく、後部を折りたたんで停めることになります。その姿がけっこう愛くるしくて気に入っております。その姿を見た若い女性たちが、「きゃー、可愛い、犬のおすわりみたい!」と宣うではありませんか。どや顔で「もんだどんない」と呟くわたし。わかっております、偉いのは私ではなく、設計をしたアンドリュー・リッチー氏です。その近くには「世界一旧軽銀座に近い駐車場」という看板がありました。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2020-01-23 06:19 | 中部 | Comments(0)
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