地下鉄南北線に乗り、西ヶ原で途中下車。12:30から、飛鳥山公園にある渋沢栄一のためにつくられた図書館「青淵文庫」と、彼の別邸「晩香廬」の内部が公開されるので、見物してまいりました。後者は洒落た物件ですね。栗材の多用や葦を使った羽目板など、茶室のテイストをうまく洋間にアレンジしています。都内で唯一残る西ヶ原一里塚を拝見して、ふたたび南北線に乗り、飯田橋へ。
歩いて十分ほどで、小石川後楽園です。実はここは未踏の地。江戸時代初期に、水戸藩中屋敷の庭園としてつくられたもので、二代藩主光圀の時に完成します。入場券を買うために並んでいると、後ろの若い女性が連れに「なんでもみじのいろがかわらないのお」と舌足らずの猫なで声で話しかけていました。「目をつぶって歯をくいしばれ! 自分で考えろ!」と怒鳴りつけようと思いましたが、ここは我慢。入園すると、園内は芋を洗うような大混雑。ふと正面を見てのけぞりました。池の向こうに丸くて白くて巨大な物体が… 何と醜悪な東京ドームが借景になっています。シュールな光景だ、「トワイライト・ゾーン」のテーマ曲が脳中で鳴り響きます。
チャカチャカチャカチャカ 気を取り直して園内を散策。ここも六義園と同じ「回遊式築山泉水」の大名庭園です。六義園より築山が高く、ダイナミックな感じがしますね。竹生島・音羽の滝・通天橋・渡月橋といった名前からも、東夷の都に対する強烈なコンプレックスをあらためて思い知りました。イチョウの落葉が敷き詰める坂道や、池におおいかぶさるもみじなど、けっこう見所も多いですよ。読売新聞社が倒産して巨人軍が地球上から消滅し東京ドームが完全に撤去されたら、また来てみよう。早くその日がくることを心の底から祈っております。中立を装いながら露骨に自民党を応援する新聞社と、球界の繁栄のためと称して金をばら撒き戦力強化をはかる増上慢な球団、嫌いですね。なお水戸学の大家藤田東湖は安政の大地震の時に、ここで母を守ろうとして圧死したのですね。その死を悼む碑がたっていました。
なお山ノ神の情報では、八柱霊園の紅葉が凄まじかったとのこと。みなさんの紅葉穴場情報をお待ちしております。
本日の二枚は、小石川後楽園です。