青森・秋田編(2):斗南藩記念観光村(05.9)

 斗南藩記念観光村の続きです。次に訪れたい寺山修司記念館へのバスも当然ないので、前もって土産屋の方に相談したところ、一時間後ぐらいに来てもらえるようタクシー会社に連絡してくれました。そうか、その手があったんだ。名古屋旅行の時も、あらかじめタクシー会社に連絡して指定した時間に長島駅に来てもらえばよかったのですね。一つ勉強になりました。
 広い敷地には、観光や総合学習のための牧場があり、その一角に資料館と開拓当時の様子を再現した銅像群と集落がありました。空を見上げると、常時米軍機が轟音をたてて飛び交っています。当時の会津人が今生きていたら、どんな気持ちで眺めるでしょう。資料館(先人記念館)は小規模ながらも解説が見やすく分かりやすい充実したもの。初の近代民間洋式牧場をつくりあげ、会津人に希望を与えた指導者、廣澤安任(やすとう)に関する興味深い展示が多々ありました。大久保利通に入閣を勧められた時に、彼はこれを断り「野にあって国家に尽くす」一介の牧夫としてこの地に残ると告げたそうです。会津人に辛酸をなめさせた「国家」と、彼が尽くそうとした「国家」、その関係が彼の心中でどう整理されていたのかは展示でわかりません。ただ彼にとっては「国家」とは既成のもので忠誠を尽す対象であり、みんなで作り上げより良く変えていくものではなかったようです。それにしても便のよくない地域を放置し、そこに反逆者・敗北者を配流し、そして国家権力には必要だが危険な施設(原発・米軍基地…)を設置するという構造は変わっていませんね。資料館の一画には、「三沢市いじめ根絶対策推進協議会標語」が貼りだしてありました。名称からして相当入れ込んでいるようですが、米軍および自衛隊基地や原発にともなう補助金がばらまかれて人間関係はずたずたに切り裂かれた結果なのか、あるいは地域の将来像に希望が持てないゆえなのか。
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 タクシーを待っていると、穴の開いた部分に顔を入れて記念写真をとるボード(仮に「はめこみ」としておきます)を発見。「野にあって国家に尽くす」という廣澤安任の言葉が記されておりますが、裏を見ると「おねがい たおれます よりかからないでくださいネ!!」 なるほど、日本という国家の脆弱さをさりげなく表現したオブジェだったのですね。顔をはめこむ部分が、家畜なのも納得しました。倒れそうな危なっかしい国家を支えさせるために、愛国心をストーカーの如く強要しているわけだ。何が愛するに値するか/値しないかを判断するの学力の一面です。そういう意味で、確かに昨今の学力不足問題は深刻ですね、いや子どもではなく大人のそれですよ。それはさておき、「はめこみ」の面白さに開眼。そこの場所でしか使えないのですから、完璧なオリジナリティをもった手作りの作品ということです。よしっ、これからは気をつけて捜してみよう。
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●斗南藩記念観光村 http://www.misawasi.com/~tonamihan/

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2005-11-29 06:19 | 東北 | Comments(0)
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