歌麿と北斎展

 今年の5月に、箱根にある岡田美術館を訪れた際に、開館10周年を感謝して、誕生日に来館した人と同伴者が無料になるという情報を得ました。そのXデー、山ノ神の誕生日である11月〇〇日、幸い私を同伴者に選んでくれた彼女とともに岡田美術館に行ってきました。当日は気持の良い快晴、綺麗な紅葉を拝めるかもと色気を出したのですが、猛暑のためか色づきはいま一つでした。受付で運転免許証を見せて、めでたく無料で入館。公式サイトより、本展覧会の紹介文を引用します。

歌麿と北斎 ―時代を作った浮世絵師―
 岡田美術館は、本年10月に開館10周年を迎えます。記念展第2部に登場するのは、浮世絵師の喜多川歌麿と葛飾北斎。次々と新しいスタイルの作品を生み出し、大衆の心をつかんだ浮世絵界のスターです。2人はほぼ同時期に画壇にデビューしましたが、先に歌麿が美人画で一躍人気を集め、一方の北斎は美人画にとどまらず、風俗画、風景画、花鳥画、武者絵など多彩な分野に挑戦し、90年の長い生涯に数えきれないほどの作品をのこしました。
 本展では、当館が収蔵する歌麿3件と北斎10件の肉筆画(一点ものの絵)を中心に、北斎の版画の代表作「冨嶽三十六景」や春画の名品「浪千鳥」を一堂に展示します。現存する歌麿の肉筆画は世界に約40件ともいわれる中、2012年に再発見された幻の大作「深川の雪」を含む3件をご覧いただける貴重な機会です。歌麿と北斎に加え、同時代およびその前後の画家の作品を併せた約40件の展示をお楽しみください。

 歌麿は2000図以上の版画を手がけた反面、現存する肉筆画は世界に約40件しかないそうです。その中でも最晩年の傑作が「雪月花」三部作。アメリカに流出した「品川の月」「吉原の花」の高精細複製画とともに、2012年に発見された「深川の雪」の展示が今回の展覧会の目玉です。縦2m、横3.5m近くにも及ぶ浮世絵史上最大の掛軸画、圧巻でした。複雑な構造の料理茶屋、そこに佇む27名の辰巳芸者を、精緻な筆致でみごとに描いています。眼福、眼福。
 そしてあまり見たことがない北斎の美人肉筆画が数点展示されています。朝の化粧に余念がない清楚な女性を描いた「夏の朝」が心に残りました。北斎の新たな魅力に触れた思いです。
 他にも同時代の画家として、私の大好きな英一蝶円山応挙、長沢蘆雪、鈴木其一の絵が見られたのも嬉しい限りです。

 なお想定外の贈り物だったのが、伊東深水の「三千歳」、鏑木清方の「雪の日」、上村松園の「晴日」という三枚の近代美人画が、どんどんどんと並べて展示してあったこと。しばらく口を開けて見惚れてしまいました。歌麿や北斎の描く美人の様式美も結構なのですがやや没個性的、それに比してそれぞれの女性の内面が主張をしているような美しさです。中でも松園が描く女性の凛とした佇まいにが良いですね。以前に、職場で「松園の女はいずこ春の宵」という雑排を詠んだら、同僚の女性に「松園の女はここよ夏の朝」と切り返されて二の句を継げなかった思い出があります。

 美人画の逸品をロハで観ることができた幸せな一日でした。来年も開館11周年を感謝して、ぜひ誕生日の来館者を無料にしていただけませんか。前後賞が半額だともっと嬉しいのですが。

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by sabasaba13 | 2023-12-25 06:03 | 美術 | Comments(0)
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