気候危機の犯人

 暑い… ほんとうに暑い…
 お隣のたまちゃんも、この地を焦がし血が沸騰するような猛暑・酷暑・溽暑・炎暑にダウン、わが家のポストの下にある日陰で時々向きを変えながら横たわっています。
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 以前も触れたことですが、何度でも何度でも何度でも何度でも何度でも繰り返します。私が呆れ、そして危惧するのは、テレビのニュースが各地における猛暑の様子とその対策にしかふれていないことです。この猛暑の本質的な要因について分析や考察をしようともしない。ワールド・ニュースを見ても新聞を読んでも、この異常気象が世界的な問題であり、しかも温室効果ガス排出が原因であることが明白なのに、やれエアコンをつけろ、やれ外へ出るな、やれ水を飲め、と対処的な話題しか取り上げません。
 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の提言によると、温暖化を1・5℃未満に食いとめるためには2030年までに世界の炭素排出量を半分に削減せねばならず、また2050年までには炭素排出量ゼロを達成する必要があります。それなのに日本政府の動きはまるで蛞蝓のように遅く、無策でやる気もなさそうです。あと5年ですよ、わかっているのかなあ…
 気候危機に対して無策・無能・無気力な自民党・公明党政権といくつかの政党、そして多くのメディア。このお粗末な現状の原因は何か。思うに、気候危機対策は儲からないから手を抜こうとひらきなおる大企業・財界と、それらに茶坊主のように擦り寄る自公政権と政党とメディアの癒着でしょう。その薄汚い癒着を支えているのが、政治献金であり、天下りであり、莫大な広告費だと考えます。そしてそうした構造を支える、気候危機に無関心な方々の存在。
 「今だけ金だけ自分だけ」「洪水よ、わが亡き後に」「♪そのうちなんとかなるだろう♪」とぶつぶつ言いながら、エアコンの利いた部屋でビールを飲んでアイスクリームを食べて、そのうち暑さがおさまるのを待つ。果たしてそれでいいのでしょうか。
 今年の夏も、そして来年の夏も、再来年の夏も、永劫に猛暑・酷暑・溽暑・炎暑がより苛酷となって続いていく。そして日本を含め世界に取返しのつかない甚大なダメージを与えていく。それでいいのでしょうか。

 私のメディアに対する要望であり提案です。この酷暑を報道する際には、ぜひ「これは地球温暖化が原因です」と言い添え、そして「今週、温室効果ガスを最も大量に放出した企業・機関・組織は…」と発表していただきたい。
そうすればわれら一般市民が団結して気候危機に立ち向かうこともできるはずです。例えば、そうした機関への抗議メールを送るとか、そうした企業の製品をボイコットするとか…
 「一人一人の努力が必要です」などと寝言をぬかすメディアもありますが、何をおっしゃるうさぎさん。どう考えても温暖化の責任は、個人ではなく企業や機関や組織にあります。私は、最も責任が大きいのはどこかを知りたい。例えば『しんぶん赤旗』(24.10.17)の「きょうの潮流」では、その一つが石炭火力発電とそれを支える自民党に責任があると指摘しています。以下、引用します。

 ことしの世界の平均気温は、観測史上最も暑かった昨年の14・98度を上回り、過去最高になる。欧州連合(EU)の気象情報機関がこんな見通しを発表しました。とくに9月の平均気温は産業革命前と比べ1・54度も高くなりました▼地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」は、上昇幅を1・5度以内に抑えることを目標にしています。すでに気象災害が気候危機によって頻発し、激甚化しています。同機関も「豪雨のリスクが気温の上昇とともに増加し続ける」と述べ、早急な温室効果ガスの排出削減を求めています▼一方、産業革命発祥の地・英国で唯一運転していた石炭火力発電所が先月末に運転を終了しました。世界初の石炭火力は1882年にロンドンに開設され、142年の歴史を閉じた形です▼電源で最も排出量が多い石炭火力の全廃は主要7カ国(G7)で初。各国も廃止期限の目標を表明しており、G7で撤退期限を表明していないのは日本だけ。しかも石炭にアンモニアを混焼するなどして石炭火力を延命する政策を推進しています。排出削減効果が低く実用化もしていない技術で温暖化対策に間に合わないと批判されているものです▼気温は変動しつつも長期的に上昇し、現状では今世紀末までに世界の平均気温が約3度上昇するとの予測もあります。石炭火力をゼロにするなど、気候危機打開への対策は待ったなしです▼このままでは地球の未来が危うい。将来世代のためにも自民党政治を続けさせるわけにはいきません。

 まだまだ温暖化の犯人はいると思いますが、中島篤之助氏は意外な犯人を名指ししています。『自然と人間シリーズ 21世紀のエネルギーと環境』(新日本出版社)から引用します。

 さてリオの会議(※1992年、第2回「国連環境開発会議」)でも一部のNGO(非政府組織)からエネルギーの軍事的浪費についてのデータの公開を求める要求が出されたのですが、すべて却下されました。本書でも「軍事利用によるエネルギー消費」については是非とり上げたかったのですが、残念ながら厳重な軍事機密の壁に遮られて、信頼できる体系的なデータは入手できませんでした。アメリカ空軍のF-15が一回二時間の飛行で費やす燃料は市民の自家用車の五〇年分だといった部分的なデータはあげられていますが、軍事化されたアメリカや旧ソ連の軍事利用にかかわるエネルギー消費がいったいどの程度であるのかは全く解明されていません。
 戦争の結果、地球環境がどのように破壊されるのかについては、ベトナム戦争、湾岸戦争などを例として、さらにはもし核戦争が起れば生ずるであろう「核の冬」についての研究などがありますが、21世紀のエネルギーを考える時、もし核兵器が全廃され、全面軍縮が進展するなら、エネルギー問題にとっても地球環境にとっても輝かしい未来を約束するに違いない「エネルギーの軍事的浪費の全廃」について、正確なイメージを提供できなかったことは大変残念です。しかしそのことの重大性だけは強調しておきたいと思います。(p.5~6)

 温室効果ガスを大量に排出する企業や機関や組織を洗い出して落とし前をつけさせる。それしかこの猛暑・酷暑・溽暑・炎暑を防ぐ手立てはないと考えます。特に自衛隊かな。とりあえず、同隊が排出している温室効果ガスの量を公開していただきたい。どう考えても軍事機密ではないでしょ。

by sabasaba13 | 2025-09-08 07:20 | 鶏肋 | Comments(0)
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