11月29日

 今日は11月29日。何の日かご存知でしょうか。

 パレスチナ国際連帯デーです。

 『ガザ日記 ジェノサイドの記録』(アーティフ・アブー・サイフ 中野真紀子訳 地平社)から引用します。

2023年11月29日(水曜日)
 今日はパレスチナ国際連帯デーだ。ほとんどの人は忘れているが、11月29日は、1947年に国連がパレスチナを分割し、ユダヤ人の国家とアラブ人の国家とすることを、賛成多数で決定した日だ。ユダヤ人の国家は翌年に実現したが、そのために、80万人のアラブ人が追い出された。男は撃たれ、女はレイプされ、村には火が放たれ、町の人々は虐殺された。テロが、パレスチナの半分を破壊して、新しい国家を誕生させたのだ。テロだ。パレスチナ人はそれをナクバと呼ぶが、75年経った今でも、世界の他の人々はその言葉の意味さえ知らない。ちょうど今、私たちがこの戦争を「新しいナクバ」だと言っても、世界は学ぼうとしないように。(p.303)

 人類が血のにじむような努力によって辛うじて築き上げてきた"人権"や"正義"が、イスラエルによって弊履の如く踏みにじられている事態がガザとヨルダン川西岸で起こっています。もしこれを看過すれば、同様の不正義や人権侵害が世界のどこで起きても許容せざるをえないということです。そう、私たちの身に起きても。

 さまざまなコメントを心に刻み、70年以上にわたってイスラエルがガザやヨルダン川西岸でパレスチナ人に何をしてきのか/何をしているのか、絶対に忘れないようにします。せめて…

駐日パレスチナ常駐総代表部
 歴史の中で、国の80%が破壊され、人口の100%が避難し、死亡者の50%が子どもである戦争などありませんでした。はっきりと呼びましょう。これはジェノサイドだと。

『東京新聞』(24.6.1)
本音のコラム この狂った世界では 師岡カリーマ
 「この世の地獄」。国連はこれまで、ガザの状況をそう描写してきた。では日曜日の出来事は、なんと呼べばよいのだろうか。イスラエルによる空爆でラファの避難民テントが炎上し、数十人の死者が出た。大火傷または手足を失うなどした負傷者も多数。ほとんどが女性や子供だった。イスラエルが「安全な場所」と指定し、移動を命じたからそこにいた人々だ。
 国際NGOに派遣されガザで活動する医師たちの声は、この空爆の前から悲痛を極めていた。「父親に抱えられた少女の遺体は、上半身が焼け焦げて下半身は無傷だった。どんな兵器を使ったらこうなるのか」。また別の医師は「腹部に重傷を負った患者を必死で治療した。この人を救うために、運命は私に外科医の道を選ばせたのだと自分を奮い立たせながら」「ガザで活動する医師はみな、任期を終えて現地を離れても、罪悪感に押されて、すぐまたガザに戻ろうとする」。
 日曜日の空爆で使われた爆弾は米国製だ。バイデン政権の見立ては「イスラエルは越えてなならない一線を越えていない」。同じ頃、ヘイリー米元国連大使がイスラエルを訪問し、使用前の砲弾に「やっつけろ」と書く映像も拡散された。彼らの腐食した鉛の心はもはやどんな名医も治せそうもない。「殺戮を止めて」と涙ながらに訴える医師たちの言葉も、響かない。

『東京新聞』(25.7.22)
ガザで餓死続出、配給所に攻撃 関連死者は千人超に
【エルサレム共同】 パレスチナ自治区ガザの保健当局は21日、食料配給関連の住民の死者が千人を超えたと発表した。栄養失調で餓死者が続出するほどの人道危機だが、食料配給を受けたくても米イスラエル主導の配給拠点ではイスラエル軍の攻撃で死傷者が相次ぐ。空腹を紛らわそうと腹に石を巻き付けたり、力なく道端で倒れたりする住民も。飢えに苦しむ男性は「いっそ攻撃を受けて死にたい」と訴える。
 米国とイスラエルが主導する「ガザ人道財団」は5月27日に食料配給を開始した。食料を求め殺到した住民にイスラエル軍が発砲し、連日のように死傷者が出ている。軍は「威嚇射撃だった」などと強弁する。
 財団の配給拠点はガザ中部と南部に計4カ所のみ。従来は国連主体の配給拠点が約400カ所あった。多くの住民は長距離移動しなければ拠点にたどり着けず、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は「女性や子どもら、最も立場の弱い人に支援が届かない」と財団の配給を非難した。

『東京新聞』(25.7.29)
ガザがどんどん壊れていく 国連パレスチナ難民救済事業機関の清田明宏保健局長が手記
 イスラエルによる地上侵攻と境界封鎖が続くパレスチナ自治区ガザで、食料と医薬品の深刻な不足により飢餓が急速に広がり、乳幼児らの餓死が相次いでいる。人道支援に当たる国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の清田明宏保健局長が共同通信に手記を寄せ、「あってはならない人災だ」と訴えた。
ガザがどんどん壊れていく。
 飢餓は現実となり、骨と皮だけのような栄養失調の乳幼児がUNRWAの診療所に連れてこられる。ガザの崩壊はすすみ、止まる気配はない。痛感したのが今月7日だった。
 その日、ガザの同僚から届いた栄養失調の乳児の写真に言葉を失った。生後7カ月の女児サラムちゃん。水頭症などの持病を抱え治療中だったが、医療体制の崩壊とともに中断し、飢餓の中で衰弱した。医師は栄養補助剤を渡したが、8日夜、息を引き取った。
 驚いたのはその後だった。サラムちゃんのような子どもが他にいないかどうか同僚に調べてもらったところ、20人近い乳児の同様の写真がすぐに届いたのだ。
 国連諸機関や人道支援団体の連合体「IPC」は、飢餓状況を監視する国際的な基準を作成している。5月の発表では、9月までにガザの全人口がフェーズ3(危機段階)以上となり、うち約47万人(人口の約20%)がフェーズ5(飢饉)に陥る可能性がある。それが現実になっている。
 UNRWAのスクリーニングでは、3月に5・5%だった急性栄養失調の乳幼児の割合が6月には10・2%にほぼ倍増。健康だった乳幼児にも急性栄養失調が広がる。避難を繰り返す中で受診が困難になるほか、食糧も十分に取れなくなり、症状が悪化する。今、必要なのは医療ではなく、大量の食料搬入だ。
 UNRWAの職員も限界を超えている。栄養不足で勤務中に失神する職員が増えた。15人に聞いたところ、1日3食取れるのは1人。ほとんどは1日1食で、レンズ豆などの簡素な食事のみだ。
 食料はヨルダンやエジプトに十分ある。だが、イスラエルの境界封鎖により搬入できない。
 乳児の死、職員の失神。いずれも明らかな人災で、予防は可能なのに、できない。21世紀にこんな事態が起きて良いはずがない。今すぐ停戦し、食料と人道物資を搬入しなければ、国際社会はガザを、そして人間の尊厳を見捨てることになる。

 国際連合のアントニオ・グテーレス事務総長は「人類は価値観を喪失した」と言っておられました。絶滅収容所と化した、いやイスラエルによって絶滅収容所にされてしまったガザ。そうなりつつあるヨルダン川西岸。このままだとこの地球が絶滅収容所になってしまうのではないかと、心底から恐れ戦いています。

by sabasaba13 | 2025-11-29 07:03 | 鶏肋 | Comments(0)
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