
先日、
劇団青年座による劇『時をちぎれ』を、練馬文化センター小ホールで山ノ神と観てきました。チラシから紹介文を引用します。
サプリメントの販売で急成長を遂げた「嶺岡幕府商事」。社長がちょんまげ姿で登場するCMが大人気で、主力商品「減量丸」はヒットを続けている。社長の嶺岡義政とその元妻である富子、この二人、なぜか異常な「室町幕府」好き。京都室町の本社を「室町御殿」、東京事務所を「鎌倉御殿」と名付け、社長義政を「将軍」と呼ばせる徹底ぶり。「室町幕府」偏愛による奇妙な会社経営が行われていた。この会社には一年間だけ「鎌倉御殿」で研修する制度がある。ある日、一人の女性がこの制度でやって来た。さて、そこで待ち受けていたものは!?
脚本は土田英生氏、演出は金澤菜乃英氏です。室町幕府への偏愛、ユニークな設定ですが、舞台装置や衣装もユニークでした。和風に設えた会議室、正面には大きな花頭窓、その向こうには鴬張りの廊下。人が通るたびにその影が窓に映り、キュッキュッという音が聞こえます。社員の衣装や物言いやしぐさも、当時のものを基にした時代がかったもの。
そして京都本社(室町幕府)の将軍(社長)・嶺岡義政(山路和弘)が、ちょんまげ姿で登場。飄々としたキャラクターで笑いを誘います。やたらと諺を引用するのですが「弘法も木から落ちる」「馬の耳に真珠」など、間違いだらけ。部下は意を畏れて間違いを指摘できません。
このまま劇は展開すると思いきや、意外な方向に話は進みます。実はこの室町幕府への偏愛は、元妻である東京支社長(鎌倉公方)・嶺岡富子(野々村のん)の趣味のようで、彼はそれほど拘りを持っていません。ちょんまげの鬘をとり、時代がかった衣装を脱いでしまいます。ここからが予想外の展開。東京支社長(鎌倉公方)・嶺岡富子の強引な経営、部下へのハラスメント、そして彼女にすりよる中枢の社員たちに危機感を覚えた京都本社社長(室町幕府将軍)・嶺岡義政は、侍所の北村佳奈(麻生侑里)や新入社員の間島七海(小暮智美)と手を組んで、彼女を排除しようとします。ところが返り討ちにあい社長(将軍)の座から引きずり降ろされ、佳奈と七海も左遷されてしまいます。隠忍自重して時を待つ三人の起死回生の策は…
芝居の後半では、室町時代のテイストをまじえながら、現代的なテーマをもりこんでいきます。本社と支社の対立(室町幕府vs鎌倉府)、イエスマンを軸にした派閥人事、強引な経営、それに抗う社員への報復とハラスメントなどなど。間島七海の出身地である間抜島の環境を破壊してサプリメントをつくり島民を分断するなど、公害問題にも通じるテーマも登場。
嶺岡富子を悪役として切り捨ててしまわずに、システムの犠牲者として遇するのも爽やかな後味でした。
権力の濫用や身分制度、派閥によるシステム運用など、私たちの生きる現代は、室町時代とそれほど隔たっていないというメッセージを受け取りました。うん、なかなか面白い芝居でした。
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