ダボス編(5):parsenn(05.12)

 ダボスは谷間にある町で、両側の山の斜面に計五つのゲレンデがあります。前回の訪問でいちおう全てを制覇したのですが、山ノ神がこだわっていたのが、メインゲレンデparsennの奥と、その向こうにあるmadrisaです。とりあえず今日は足慣らしで、ロングコースがたくさんあるprasennを滑りましょう。
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 板を担いで駅近くの登山電車乗り場へ行き、まず六日間のリフト券を購入。ガラスの向こうからカメラで顔写真を撮られ、これがカードに刻まれます。「スイカ」のように平板な機器にタッチしてゲートをくぐると、正面のモニターに所有者の顔が映し出されるのにはびっくり。誰かがチェックしているようには見えませんでしたけれど。待ち時間なしですぐ乗車、だからヨーロッパ・スキーは好きなのさ。若い頃、山形蔵王のロープウェー山麓駅に朝五時に着き整理券をもらい、一時間後にやっと乗れたという甘酸っぱい思い出が胸裏をよぎりました。今はスキー離れがすすんでいて、かなり空いているという噂もききます。余計なお世話ですが、スキーをめんどくさがる若者が増えているのではないと願います。そうそう、蔵王のロゴマークは限りなくダボスのそれと極似していますね。どちらが先かは知りませんが。
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 登山電車を二本乗り継ぎ、標高2662mのWaissfluhjoch(ヴァイスフルーヨッホ)駅に到着。一本目の列車は最新式のもので、逆ジェットコースターのようにトンネルと山の斜面を駆け上っていきます。二本目はやや旧式で、斜面につくられた連続したアーチの石橋をうんせうんせうんせと上っていきます。
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 うーん、(グリンデルワルトに少々未練は残りますが)来てよかった。雲が皆無の紺碧の空、見渡す限りに雪を抱いて連なる峨峨たるアルプスの連山、陽光に輝く白雪、風もなく暖かい陽気。この高さになると樹木の繁殖限界高度を越えているので、周囲には木が一本もありません。よって技量さえ確かならば、どこを滑ってもよろし。日本のスキー場のように立入禁止地域はありません。死を含めてその結果については、個人が責を負うということでしょう。もちろん、安全にスキーを楽しみたいというほとんどの人のために、きっちり整備された幅広いゲレンデが豊富に多数用意されています。黒=上級、青=中級、赤=初級というしっかりとした表示もあり、私の憎悪するコブ斜面もほとんどなく、気持ちよく快適に安心して滑れます。少なくとも、人間をポールに見立てて中級用斜面を猛スピードで飛ばすような変質者はみかけませんね。アクロバティックなスキーをしたい方々は、ちゃんとコース外の難しい斜面で滑っています。おまけにリフトの待ち時間はほとんどなし!
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 そして何年も着古した(中には継ぎはぎをした)地味なウェアを着ている人がほとんどです。毎年ニューモデルのウェアを買い換えるという感じの、何か人生にトラウマがあるようなど派手なウェアを着ている人はめったに見かけません。(見かけると大抵は日本人) 山ノ神から下賜された22年前のキリーのパンツと、15年前に購入したエレッセのデザインをぱくった中国製オーバーウェアをいまだに愛用している私としては、たいへん助かります。それからかなり高齢な仲睦まじい老夫婦の姿をよく見かけるのも素敵ですね。興味深いのは、ヘルメットを着用している人がけっこういることです。「スキーをなめたらあかん」ということなのでしょうか、一歩間違うと死に至る危険な遊びだという認識をしっかりもっている方も多いようです。
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 本日の二枚です。
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by sabasaba13 | 2006-03-09 06:03 | 海外 | Comments(2)
Commented by mimishimizu2 at 2006-03-09 08:48
私はスキーをしたことがありません。なんだか、人生で随分そんをしてしまったような気分です。ヨーロッパにスキーだけのために行かれるなんて、、、なんて理想的な人生なのでしょう!!!うらやましいです!
Commented by sabasaba13 at 2006-03-11 16:00
 こんにちは。お世辞にも理想的とはいえない人生ですが、スキーのおかげで何%かは喜び・楽しみの量は増えました。ここだけの話、私は体育の成績で3をとるとお赤飯を炊いてもらえた程度の運動神経しかないのですが、下手でも体を動かす快楽をいろいろな人に教えてもらえたのは感謝したいですね。
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