ダボス編(6):prasenn(05.12)

 さあ滑りましょう。言い忘れましたが、私の技量は大したことはありません。自分が怪我をせず/他人に怪我をさせず、景色を眺めながら疲れないおおざっぱなパラレル・ターンで大きな弧を描いて緩斜面を滑れればもう十分。アメリカの某コーチが、スキーで大事なことは“Safety, fun, and learning”だと教えてくれましたが、満腔の意を込めて賛同します。人の多い狭い斜面で危険を回避するためのショート・スィングができればいいなとは思いますが、まあプルーク・ボーゲンで滑ればいいだけの話なので、練習する気もありません。無欲というか恬淡というか向上心がないというか… 私の中の位置づけでは、スキーはレクリエーション、テニスはスポーツです。技術向上のために努力をするか、しないかがその違いですね。
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 スキーは二年ぶりとあって、けっこう転びました。谷に正対する勇気がなく後傾姿勢になっているのはわかるのですが、いかんせん体が言うことを聞いてくれない。まあ慣れるしかありませんね。山ノ神のスキー哲学と技術は小生とほぼ同じですが、素晴らしく低く安定した重心のために滅多に転倒しません。別に羨ましくないけど。ミシュラン人形のペピンダム君のような彼女の後姿を追いかけていると、また転倒。するとあるスキーヤーが上の方に置き去りにしてしまったストックをすぐに拾い上げ持ってきてくれて、「大丈夫か」と(たぶん)ドイツ語で気づかってくれました。“Danke, danke.”と感謝し、またしばらくすると転倒。するとまた違うスキーヤーが近づいてきて「大丈夫か」と(間違いなく)英語で気づかってくれました。“All right, Thank you.”と応えると、何と彼は下のほうで待っている山ノ神のところまで滑っていき、「彼は大丈夫だ」と教えてくれたそうです。こういう親切をされると、今度は自分が他人に親切になりたくなります。カート・ヴォネガットが「世界を救うのは愛ではなくて、親切だ」とある小説の中で言っていたような覚えがありますが、成程、そうかもしれない。

 本日の一枚です。
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by sabasaba13 | 2006-03-11 15:21 | 海外 | Comments(0)
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