だまたべ:たまねぎ納豆

だまたべ:たまねぎ納豆_c0051620_705741.jpg 「だまたべ(騙されたと思って、食べてみて)」の第二弾です。幼い頃から家庭で日常的に食べてきた料理は、その食べ方が心身の一部になっているかのように普遍的なものだと思い込んでいるものです。例えば、山ノ神と所帯をもって、夕食の時に私が鯖を焼いていたら、彼女は「そんな食べ方があったの!」と驚愕しました。彼女の家では、鯖=味噌煮という不文律があったそうです。ある日ある時、私が納豆にきざんだ長ネギを入れたら「信じられない!」と叱咤されました。それでは何を入れるのだ、と訊ねたら「玉ねぎに決まっているじゃない」。今度は私が「神を畏れぬ所業じゃ!」と言い返すと、「騙されたと思って、食べてみて」と切り返されました。プディングの味は食べてみないとわからない、いいでしょう   うまい   以後、私の人生は変わりました。
 作り方は簡単です。納豆にきざんだ玉ねぎと多めの和からしを入れ、「美味しくなあれ美味しくなあれ…」と唱えながら、よくかきまぜる。仕上げに醤油を入れてフィニート。玉ねぎの甘さと歯ごたえと水気が、納豆の臭気・からしの辛味・醤油の味わいと、玄妙なハーモニーを奏でます。まるでブラームスの弦楽六重奏曲第一番変ロ長調作品18のようです。ぜひお試しあれ。
 ただ未決着の問題があります。青海苔の有無については、私が折れて入れるようになったのですが(ほんとは歯にくっつくのが嫌なのですが)、おまけについている味つきタレを入れるのは納得できません。妥協が成立するのには、もう少し時間がかかりそう。たぶん私が折れるでしょう…
by sabasaba13 | 2006-03-29 07:01 | 料理 | Comments(4)
Commented by PleiadesPapa at 2006-03-30 15:48 x
はじめまして、東北の旅の下調べて当ブログにたどり着きました。そちらのコメントは別に書き込みますが取りあえずこの「味つきタレ」をめぐって一言。
断固賛成。当初はうやうやしく耳かきほどの小さじで供されていた化学調味料の、今日の跳梁跋扈ぶりは許容限度を超えました。自らの墓堀人である新自由主義、市場原理主義者を「カイカク」の一言だけで支持する思考停止・精神奴隷がこれほど溢れてしまった背景には、同一味覚障害、味覚不安障害という化学調味料による身体性の喪失が潜んでいるハズですから。(笑)
Commented by sabasaba13 at 2006-03-31 07:55
 こんにちは。同志よ、と抱きしめてもよろしいでしょうか。(お嫌でしょうね) 私も化学調味料の跋扈には不気味なものを感じています。もしかしたら花粉症の蔓延も、こうした物質による複合汚染の結果かもしれませんね。身体性の喪失とは鋭いご指摘だと思います。無臭・無菌・味覚の画一化への抵抗が、現状を少しでも真っ当なものにするための、アリアドネの糸の一つかもしれません。
Commented by 長老 at 2011-04-10 04:55 x
はじめまして、「タマネギ+納豆」で検索したら、こちらに辿り着きました

生のタマネギに含まれる様々な成分には、コレステロールや中性脂肪を低下させる作用があるうえ、血圧を下げる働きもあり、血栓・動脈硬化の予防にも有効です
ちなみに、タマネギを包丁で切って30分程度放置しておくと、空気に触れて血圧低下の効果がある物質が生成される為、更に効果が上がるようです
(熱を加えると成分が破壊されるので、生で摂取するのが効果的との事)

納豆には、血栓溶解作用のあるプラスミンを作る「ウロキナーゼ(血栓溶解薬)」と同様の働きをする「ナットウキナーゼ」・血液凝結因子を作る「ビタミンK」が含まれており、血液の正常化に効果があります
(ただし、病院でワーファリンを投薬されている人は納豆は厳禁です)

刻みタマネギ+納豆の組み合わせは、血液関係には非常にいい食べ物と言えるでしょうね
Commented by sabasaba13 at 2011-04-10 13:41
 こんにちは長老さん、詳細かつ学術的なコメントをありがとうございました。別に健康に配慮したわけではなく、ただ美味しいので食べているだけなのですが、奥が深いですね。美味しくて血液に良い、これからもたまねぎ納豆とともに人生を歩んでいこうと思います。そうそう、切った後、三十分ほど放置するのも忘れないようにします。
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