ダボス編(15):キルヒナー美術館(05.12)

 ホテルに着いたのが午後二時半。暖かい風呂につかり、ビールを飲んで昼寝。起きて読書をしてまた昼寝。またもや小原庄助さん状態です、極楽快感至福… 社会復帰ができなくなるのではと心配なくらい、安逸な時間を貪りました。まあ潰すほどの身上はないから気楽ですけれど。さて今晩は街にくりだしましょう。駅からバスに乗って、まずはキルヒナー美術館に行きました。エルンスト・ルートヴィッヒ・キルヒナー(1880~1938)、若手画家集団の「ブリュッケ(橋)」を主宰して活躍したドイツ表現派を代表する画家です。第一次大戦に従軍して精神を病み、ダボスで静養、ヒトラーに「退廃芸術」の烙印を捺された衝撃もあり、自ら命を絶ってしまいます。この美術館は、ダボスの自然を描いた良い作品を中心に展示しています。若い頃の大胆かつ不安に満ちたフォルムと色彩からは創造できないほど、穏やかな画風に変化していますが、時々心の闇が反映されたようなタッチが見え隠れします。決して大好きな画家ではないのですが、気になる人です。彼が作った、人体で埋めつくされた木彫のベッドも凄い。美術館自体のデザインも、うちっぱなしコンクリートと木の床、館外の風景を見渡せる大きなガラス窓を組み合わせた、なかなかよいものです。フラッシュをたかなければ写真撮影は問題ないので、お気に入りの作品を写真におさめました。日本の美術館の多くが、一切写真撮影禁止なのは納得できません。著作権云々ではなく、絵葉書を売るためと美術館の権威を高めるためだと邪推します。伊勢神宮も撮影禁止だしね。
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 バスでドルフ駅に戻り、夕食はイタリア料理店にしました。海鮮ピザ(海老が生煮え)とスパゲティ・ボロネーゼ(茹で過ぎ)を食しながら、明日の予定を話し合いました。天気が悪いのは確実です。とはいっても吹雪くのではなく、寒くて曇天という予報です。でも極楽スキーを標榜する以上、お天道様と一緒じゃないと滑りたくないということで意見は一致。実はダボスもけっこうつぶしがききます。候補としては、1.サンモリッツに行ってセガンティーニ美術館を見て、ベルニナ特急に乗りアルプ・グリュムで折り返して戻る。2.スイス最古の街クールに行き、州立美術館と旧市街を見て歩く。3.アロイス・カリジェの故郷、トゥルンを訪問。4.アルプスの少女ハイジの舞台となったマイエンフェルトを歩き回る。5.バート・ラガッツで温泉に入る。結局、2に決定。支払いをする際に、ウェイターに「ツァーレン・ビッテ(おいくら)」「グラッツェ」と言葉をかけた山ノ神は、「あたしは四ヶ国語を操る魔性の女なのよお」とはしゃいでいましたが、そこはそれ(以下略) 帰りに駅のインフォメーションで列車のタイム・テーブルを印刷してもらいました。

 本日の一枚です。
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 一昨日の問題の答え。新人のおばあさん。
by sabasaba13 | 2006-03-30 08:54 | 海外 | Comments(2)
Commented by mimishimizu3 at 2006-03-31 11:03
ハハハ。
どんなおばあさんがもてるかって・・・
私にとれば切実??なもんだいだから、結構真面目に考えていたのですよ・・・ハハハ
Commented by sabasaba13 at 2006-03-31 23:03
 こんばんは。畳と○○は新しいほうがよいなどという、不遜な戯言をつくるくらい、男というものはしょーもない生物です。その一員として、このしょーもなさをいじらしくも思っております。
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