池袋モンパルナス編(1):(06.3)

 「池袋モンパルナス」って御存知ですか。大正末期から昭和20年代にかけて、東京の池袋近辺に若い芸術家を対象とした安価なアトリエ付き借家が多数あり、これらの集落は、「すずめが丘アトリエ村」、「つつじが丘アトリエ村」、「さくらが丘パルテノン」と名付けられ、当時100軒以上の貸アトリエが軒を連ねていたといいます。この一帯に、熊谷守一、吉井忠、峯孝、寺田政明、松本竣介丸木位里・俊夫妻などの芸術家たちが住み、昼夜作品づくりに励み、いつしかここは、パリの芸術地区、モンパルナスにちなみ「池袋モンパルナス」と呼ばれるようになりました。このあたり一帯を、散歩がてらふらっと歩いてきました。
 まずは池袋東武デパート6階の画廊で開かれている吉井忠展と熊谷守一書画展を拝見しました。自由闊達・融通無碍なモリさんの書画にはまいりますね、傑作なのは即売会で唯一売れ残った作品であるという「蒼蝿」という書。そりゃあ誰も買わないでしょう、でも多分彼にとっては蝿の動きや表情が魅力的だったのだと思います。あるいは純粋に字の形が好きだったのかもしれませんね次なるは勤労福祉センター7階にある豊島区立郷土資料館に行きました。敗戦直後の池袋駅前の闇市や、長崎アトリエ村の精緻なジオラマがすばらしい! これはミニチュア細工が本当に好きで好きでたまらない人が作ったのだという雰囲気がムンムンと漂ってきます。実は小生も昔はプラモデル大好き少年だったのでよく分かります。まだ見ぬ同志よ、いつか会いましょう。特設展を見ていると、要町のアトリエに住んでいた高山良策という画家の絵があり、解説を読むと「円谷プロの怪獣造型家としても有名」とあります。実は小生、怪獣大好き少年で、モスラやキングギドラの身長や体重の数値を一所懸命に覚えた記憶があります。この方の名は覚えておきましょう。

●豊島区立郷土資料館 http://www.museum.toshima.tokyo.jp/index.html
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by sabasaba13 | 2006-05-18 06:01 | 東京 | Comments(0)
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