池袋モンパルナス編(4):(06.3)

 ここから少し歩くと、廃校となった平和小学校(現西部区民事務所)の3階に「アトリエ村資料室」があります。文献や写真を収集・保管して研究に資するための施設のようです。展示が少ないのは残念ですね。地図を頼りにしばらく歩き、地下鉄千川駅に出て要町通を渡ってまたしばらく行くと浅間神社にある長崎富士塚に到着です。江戸時代に富士浅間信仰が流行し、富士山を模した築山が江戸各地につくられましたが、ここもその一つ。1862(文久2)年に築造されたもので、よく原型をとどめています。ただ金網で囲まれて近づけないのが、残念です。江古田でも入谷でも近づけませんでした。聖なる場所だからなのか、危険だからか、ホームレスが住めないようにするためか、理由はわかりませんがぜひ登れるように善処を求めたいですね。
 近くには喫茶店「ショパン」があります。画家たちのたまり場だった店で、落ち着いたインテリアと妙なるクラシック音楽の響きは、往時を思わせる雰囲気です。珈琲を所望し、フォステクスの銘機FE-203から流れるモーツァルトのピアノ協奏曲第21番に耳を傾けながらしばし休息。ここからえびす通りという昔ながらの雰囲気に溢れた商店街を抜けて、ふたたび要町通へ向かいます。ふと見上げると、麻の葉くずしの青銅製戸袋を確認。こういう職人仕事を見かけるとほっとしますね。
池袋モンパルナス編(4):(06.3)_c0051620_219296.jpg

 池袋駅に向かう左手には光文社ビル、中にはミステリー文学資料館が併設されているようです。向かい側の路地の奥には、江戸川乱歩の旧宅があるはずなのですが、見つけられませんでした。地図によると、この近辺には武者小路実篤の「新しき村東京版」、小熊秀雄終焉の地もあるようです。立教大学に寄ってもいいのですが、今回は疲れたのでカットし、池袋駅に向かい帰宅することにしました。時間にして3~4時間ぐらいの散歩が楽しめるコースです。なおアパート建築に興味のある方/造詣が深い方(いないだろうなあ)には特にお薦め、そうとうそそられる物件がたくさんあります。

 本日の一枚は、長崎富士塚です。
池袋モンパルナス編(4):(06.3)_c0051620_2034240.jpg

by sabasaba13 | 2006-05-21 08:31 | 東京 | Comments(0)
<< 武満徹|Visions in ... 池袋モンパルナス編(3):熊谷... >>