「六ヶ所村 核燃基地のある村と人々」

 「六ヶ所村 核燃基地のある村と人々」(島田恵 高文研)読了。かなり以前に鎌田慧氏の「六ヶ所村の記録」(岩波書店・講談社 絶版)を読んで以来、ずっと青森県にあるこの村のことが気になっていました。1970年代にはここを一大石油コンビナート地帯にするという「むつ小川原開発計画」、それが破綻すると今度は核燃料サイクル基地の建設。この間、政治家・官僚・財界が警察を動員しながら強引に計画を推進するとともに、札びらで地元の人々の顔をひっぱたき、分裂させ、協力させていく有様を描いた優れたルポルタージュです。昨年、念願叶い、現地を訪問することができました。その報告はこちらをご笑覧ください。
 本書は六ヶ所村に移り住んだ著者が、核燃料基地の強行建設とそれに抵抗する人々、そして村の生活や風景を撮影した写真集です。文章だけでは伝わらない村人の、怒り、恐れ、不安、悲しみを感じとることができました。前書と併読すると、この村が追い込まれてきた過酷な歴史がよくわかります。ここは日本の縮図ですね。金と警察力を駆使して抵抗を粉砕し、人々の生命や健康を脅かすことなど歯牙にもかけずに、利権を追求する官僚・政治家・財界。「金で心を汚してしまえ/夢も希望も奪ってしまえ」と日本人絶滅を目論む「死ね死ね団」(懐かしのTV番組“レインボーマン”に登場)と、政官財複合体が同種の組織であることがよくわかります。後者の狙いは、お上に逆らう日本人の絶滅という違いはありますが、たいした差ではありません。自らの利益を“国益”と言いつくろい事態を隠蔽する後者よりも、高らかに目標を標榜する前者の方が潔いという気もしますが。教育基本法改正/改悪の狙いの一つは、“国策”に抗う人々を「非国民」として叩き潰すためなのではないか、と邪推してしまいます。
 追記。1991年1月25日に、小沢一郎自民党幹事長が青森県を訪れ、商工業団体の長をホテルに呼びつけて建設工事への協力要請をするなど、厳しい締め付けをしたそうな。やれやれ、教育基本法改悪/改正阻止のために、この人物のバック・アップをしなければならないとは…

 本日の一枚です。六ヶ所村に運び込まれた、雨に打たれ煙を上げる高レベル放射性廃棄物輸送容器です。これ一つだけで広島型原爆の約一千倍の放射能を含み、高熱を発するそうです。こんな恐ろしい写真を今までに見たことがありますか?
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by sabasaba13 | 2006-05-24 07:48 | | Comments(0)
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