「DAYS JAPAN チェルノブイリ20年目の悲劇」

 「DAYS JAPAN 6月号 チェルノブイリ20年目の悲劇」観了・読了。何回も紹介しておりますが、今世界で起きている現実を写真によって報道し、状況を変える一石になろうという志をもった気鋭の写真月刊誌です。昨今の萎縮した日本のジャーナリズムの中で、天狼星のように孤高に輝く稀有な写真誌、一人でも多くの人に読んでいただきたいな。
 六ヶ所村についての一文を書いている時に、定期購読しているこの写真誌が郵送されてきました。何という偶然! チェルノブイリの現状についての特集号です。人類はこの悲劇から何も学んでいないこと、学ぼうとしていないことがよくわかりました。避難民、事故処理作業員、そして彼らの子供たちの健康調査はほとんど進んでおらず、死者の数もいまだはっきりされていません。IAEA(国際原子力機関)は、事故による死者は将来も含めて4000人というあまりにも過小な数字を発表していますが(2005)、これは明らかに被害の実情を隠蔽し原子力発電の維持と拡大を目的とする虚偽の報告ですね。イスラエルの核兵器所持を見て見ぬふりしていることからもわかるように、胡散臭い機関です。その発言には眉に唾をつけて聞き、その動きには十分に気をつけて監視すべきだと思います。そして今のチェルノブイリの生々しい様子や、そこに住む人々を撮影した写真は、言葉では伝わらない思いメッセージをふくんでいます。原発事故は、文字通りとりかえしがつかないことなんだ… 実は、なぜ事故を起こしたチェルノブイリ原発が鎮火したのか、次に事故が起きた時に何をすべきなのか、自然環境や生態系や人体へどのような影響を与えるのかについて、よく分かっていないのですね。ううむ…
 この写真の光景と、青森県そして日本の将来の姿がだぶって見えるようです。原発や核燃料サイクルに賛同する政治家・官僚・財界の方々は安易に「愛国心」という言葉を使ってほしくないな。大事故が起こる確率は確かに低いかもしれませんが、起こった時はその地域の全てが終わります。日本が滅亡する際には、せめて「あんな政策を行ったらおしまいだね」と世界の教訓となってほしいのですが、原発事故での滅亡だけは絶対に絶対にしてはいけないと切に望みます。これ以上周辺諸国や地球に甚大な迷惑をかけるわけにはいきません。
 他にも油田に押しつぶされるナイジェリアの住民、らい予防法の傷痕、アヘンに蝕まれるアフガニスタン、腕を切断されたシエラレオネの男性、60年目の被爆者など、今の世界があげている叫び声を伝えてくれる記事が満載です。中でも水俣病に関する下記の記事が衝撃的でした。
 水俣病情報センターで私の毛髪の水銀値を調べてもらうと、安全基準を超えていた。日本の男性の7人に1人が安全基準を超えているという。紛れもなく日本全国が「水俣化」しているのだ。
 以前の記事にも引用した、カート・ヴォネガットの小説(「スローターハウス5」だったと思います)に出てくる言葉が、脳裏でまた響きます。地球のほとんどの地域がすでにスローターハウス(屠殺場)になっているのかもしれませんね。畜生道の地球…
われわれは自分たちを
救えたかもしれないが
呪わしいほどなまけものであった
ためその努力をしなかった
それにわれわれは
呪わしいほど下劣であった
 なおDAYS JAPAN主催の二つの写真展「地球の上に生きる2006」「メディアは命を救えるか」が開かれる予定だそうです。詳細は下記のホームページでご覧ください。なお後者では、以前にふれたことがある「ハゲワシと少女」(ケビン・カーター)も見られるようです。

●DAYS JAPAN ホームページ  http://www.daysjapan.net/

 追記。坂本龍一氏の呼びかけについては昨日の記事に書きましたが、私の大好きな忌野清志郎氏もかつて反原発の歌をつくっていたことをふと思い出しました。先ほどインターネットで調べてみると、「カバーズ」におさめられている「サマータイム・ブルース」という曲です。さっそく購入します。なお、このアルバムの発売を東芝EMIは拒否しました。親会社の東芝が原子力産業を支える中心的な企業だったからですね。このあたりから反原発運動の戦略が一つ見えてきます。原子力発電所に関与している企業の製品に対する、大規模な不買運動です。いかが。………………そうかっ! 共謀罪というのは、こんなことを誰かと話し合っただけで成立してしまうんだ! あらためてその恐ろしさと醜悪さがわかりました。それにしても、どこまで堕ちていくんだ、この国は。
by sabasaba13 | 2006-05-26 06:21 | | Comments(0)
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