台湾編(17):台北市内(06.3)

 ロータリーのコーナーにそって屹立している、見事な赤煉瓦建築が旧総督府専売局です。設計は森山松之助、中央のドームと塔が眼をひきつける重厚にして華麗な物件です。総督府はアヘン、樟脳、煙草、酒などを専売にして大きな財源としていましたが、その専売制度を管轄していた事務所です。一種の高額消費税と考えてよいと思いますが、収奪される台湾の人々にしてみれば心地よいものではなかったでしょうね。怨嗟の的にもなりえたこの建物を破壊せずに保存した経緯についてはよくわかりませんが、感謝したいと思います。なお政府か軍が現役で使用しているらしく、至近距離で撮影をしていたら警備員が(たぶん)撮影禁止だという素振りで近づいてきたので、早々に退散。すぐ近くに厳重な鉄条網つきバリケードが幾重にも重ねて置かれていたのが印象的でした。
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 ここから司法院、旧総督府へ向かってしばらく歩きます。
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 平日ということで通勤ラッシュの真っ最中ですが、バイクの多さには驚きます。信号手前のバイク用スペースで数十台が位置につき、青信号になると同時にダッシュする様子は、サーキットのようですね。当然、爆音と排気ガスも凄いものです。
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 どの通りにもアーケードが設置されており、ほんとうに雨が多いところなのだなあと実感。おーっと、警察官が今まさに違法駐車の車をレッカー移動しようとしている現場を目撃しました。すると持ち主の男性が、大声を出しながら駆け寄ってくるではありませんか。見逃すのか、無視するのか、袖の下を渡されるのか、最後まで見極めるべきだったのでしょうが、時間の都合上その場を立ち去りました。今にして思えば、警察権力と市民との関係を知るよい機会だったのですね、不覚。
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 そして次なる物件は、旧台北公会堂(現中山堂)です。1936年に竣工、当時台湾最大の公共建築だったようです。1945年10月25日に、台湾地区降伏式がここで行われ、この日をもって日本は台湾を放棄しその管理が国民党政府に委ねられたわけです。歴史の証言者ですね。これといった特徴はありませんが、堂々とした風格を感じます。
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 本日の一枚は、旧総督府専売局です。
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by sabasaba13 | 2006-06-25 08:19 | 海外 | Comments(2)
Commented by K国 at 2006-06-27 17:50 x
私も10年ほど前に友達と台湾旅行に行きました、仲良くなった
別府大学に学んでいた、留学生に会いに行くのも目的の一つでした。
もう一人その前に我が家に2週間ホームステイした、学生のオヤジさんにも会いました、市内をあちこち案内してもらい、228事件や児玉源太郎を展示してる施設にも行き
彼は日本語がとても上手で詳しく説明してくれました、彼が言うには
中国とは一緒になりたくない、日本は台湾人全てに教育をしてくれて
予防接種も平等にしてくれた事、戦後一時的に中国から来た軍隊に支配され弾圧を受けた事、日本の支配に対する反発もあるが
建物、交通網、治安、教育は日本時代に確立されたと言って感謝された
戦後生まれの我々は、韓国、中国とは違う台湾人の感情に戸惑ったけど
その気持ちが反日にならないように、謙虚な気持ちでつきあいたいと思います
Commented by sabasaba13 at 2006-06-28 20:41
 こんばんは。歴史的な諸事情によって反日感情がそれほど強くない台湾を引き合いに出して、過去の植民地支配を正当化するという愚はおかすべきではないでしょう。台湾軍人・軍属への補償など、まだまだ未解決の問題も多々あるわけですし。おっしゃるとおり、過去の歴史をふまえた上で謙虚につきあっていくべきだと思います。
 そして互いの文化の多面性を認め合うべきだと考えます。台湾=中華料理と温泉、韓国=あかすりと焼肉とドラマ、中国=安い労働力と有望な市場、北朝鮮=暗黒と非道というような安直で単純で一面的な見方は避けたいです。日本=携帯とアニメと家電の国と見られたら、あまりいい気持ちはしませんよね。
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