台湾編(19):(06.3)

 そしてホテルに到着。ガイドさんに空港まで送ってもらいました。出発までかなり時間があるので、空港内を彷徨していると故宮博物院のミュージアム・グッズを売っている店がありました。だめ押しで西周青銅器のミニ・レプリカを購入。ムスリムのための祈祷室はやはりこの空港にも設置されていました。
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 そして定刻通り、飛行機は出発。幸い機内で「博士の愛した数式」の最後の30分を見ることができました。しみじみとしたいい映画ですね。内容もさることながら、長野の小諸や上田の何気ない自然や里山の美しさに見惚れました。ウィリアム・ブレイクの言葉も心に残ります。「一粒の砂に一つの世界を見/一輪の野の花に一つの天国を見/てのひらに無限を乗せ/一時のうちに永遠を感じる」 さすが市場経済を「悪魔の碾き臼」と表現した詩人です、その対極の世界を見事に活写していますね。そしてANAの機内誌「翼の王国」を何気なく読んでいると、私の霊界アンテナ(筆者注:寝癖ではありません)が何かを感じました。原子力発電を肯定し推進をPRする広告が異常に多い。電気事業連合会、経済産業省資源エネルギー庁、文部科学省、そして原子力発電環境整備機構の計四つ。われわれの納めた税金を湯水のように使い、原子力発電を遮二無二推し進めようとする官僚たちの不穏な動きが加速してきたようです。要注意。
 そして無事に帰国、そして帰宅。流しにおきっぱなしの山のような食器類を見て、「小人さんはいないのね/いないのっ!(筆者注:留守の間に家事をすべてすませてくれる妖精のことらしい)」と一人腹話術をし、冷蔵庫のヨーグルトを見て「賞味期限が過ぎてる、早く食べなくちゃ」とあわてる山ノ神。中国文化の影響を受けてなのか、併呑自若、言動にも大人の風格がでてきましたね。というわけで侏離鴃舌、蛙鳴蝉噪もこのあたりで終わりにします。

 ひさしぶりのアジア旅行だったので感興もひとしおです。共産党政権との緊張関係、国家による管理・統制とそれを柳の如くしたたかに受け流す台湾人、エネルギッシュで猥雑な街、少数民族の現状、奥深い食文化、そして日本による植民地支配のさまざまな名残と遺産。本当に楽しめかつ勉強になりました。われわれが忘れてはいけないのは、反日感情が弱いからといって、それに甘えてはいけないということですね。いまだ清算されていない植民地支配の傷痕は決して少なくないと思います。それに対する責任をきちんと果たした上で、アジアの将来像を多くの人々と協力してつくりあげる。困難ではあるが、わくわくするような課題です。故宮博物院が完成したら、また訪れるつもりです。再見。

 追記その一。鼎泰豊(ティンタイフォン)の支店が、日本各地にけっこうあるのですね。別に回し者ではありませんが、お試しあれ。
 ●鼎泰豊 http://rt-c.co.jp

 追記その二。2006年3月31日、青森県六ヶ所村の核燃料再処理工場で、使用済み核燃料からプルトニウムを取り出すアクティブ試験が強行されました。原発のPRが増えてきたのは、このための地均しなのかもしれません。とうとうルビコンを渡ったわけです。ワールド・カップや、放火殺人事件より、この問題や憲法・教育基本法改悪問題の方が重要なのに、マスメディアはほとんど報道しませんね。なおこの件に関しては拙ブログ06.5.25の記事もご笑覧ください。そうそう、この工場で二度目の被曝事故がありました。
by sabasaba13 | 2006-06-27 06:11 | 海外 | Comments(0)
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